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高い距離分解能・深部計測・広範囲計測が可能なパラメトリック音源を用いた超音波診断システム

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高い距離分解能・深部計測・広範囲計測が可能なパラメトリック音源を用いた超音波診断システム

組織名 国立法人大学 電気通信大学 大学院情報理工学研究科 野村 英之 准教授
技術分野 ものづくり、医工連携/ライフサイエンス
概要  低周波指向性超音波であるパラメトリック音源とパルス圧縮技術を組合せた新しい超音波診断システムを研究しています。1)低周波超音波なのに距離分解能が高く、プローブ(音源)近傍の複雑な音場を可視化できる、2)音波吸収が小さいため、分厚い体脂肪など深部まで映像化が可能、3)広範囲の映像化が可能、4)低周波信号を扱うため、装置が小型で安価、などの特徴があります。既存の超音波アプリケーションの他、体内超音波診断など新しい用途へ応用可能です。本技術の実用化・活用に意欲がある企業を歓迎します。
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【簡略図】
nomurasensei_gaiyouzu.png
【背景】
超音波計測・超音波イメージングは、物体からの反射エコーを利用して内部の傷・欠損の非破壊検査など様々な用途に用いられていますが、高い距離分解能を実現するために主に高周波の周波数帯域(1-10MHz)が利用されています。
ただし、高周波超音波には、以下の課題があります。
 
1)プローブ(音源)近傍では音場が複雑となり、イメージング画像が劣化する。
  浅い位置の鮮明な映像化が困難である。
2)物体の音波吸収が大きいため、表面部の計測には適しているが、深部あるいは遠方ではイメージング画像が大幅に劣化する。
3)局所的な領域のイメージングは向いているが、広範囲のイメージングには向いていない。
 
上記の課題克服のために、高周波超音波ではなく「音波吸収が少ない利点」を持つ低周波超音波を用いた計測・イメージング技術が近年注目されています。
 
しかしながら、低周波超音波をそのまま用いた場合、
1)指向性が悪い
2)距離分解能が悪い
の大きな2つの課題があり、実用レベルには達していなかったのが現状です。
 
本研究では、低周波周波数に対し、パラメトリック音源とパルス圧縮技術を組合せ、上記2つの課題を解決した新しい超音波診断システムを提案します。
 
【技術内容】
本技術の原理は以下の通りです。
1)指向性が高く低周波のパラメトリック差音を超音波として発射します。
2)受信パラメトリック差音エコー信号にパルス圧縮技術という信号処理技術を用いることにより、距離分解能を高めます。
 
パラメトリック音源とは、同軸上に同時に2つの周波数の音波を送波すると、その差周波数で狭ビームの音波が非線形伝搬により発生する現象です。
「指向性が鋭く音波吸収が小さい超音波」を発生することが可能です。
 
下記の図がパラメトリック差音をスピーカとして応用した例です。1kHZの音場について、通常のスピーカで生成した場合(左)、パラメトリック音源を用いて生成した場合(右)の比較です。
 
 

parametric_ongen0.png

 パラメトリック音源の生成例は下記の通りです。
左図の上グラフ(黒線)が超音波振動子の駆動信号、中央グラフ(青線)が発生した超音波信号、下グラフ(赤線)がその差音(パラメトリック差音)信号です。
右図は、横軸がプローブからの距離、縦軸が音波の強さです。
パラメトリック差音は、送信周波数と比較してプローブ近傍でも安定していること、ビーム幅が狭いことが分かります。
 

parametric_ongen1.png

左図・下グラフのデータ(赤線)では、パラメトリック差音が発生していますが、信号長や波長が長いことが挙げられます。このため、距離分解能が落ちてしまいます。
ここで、パルス圧縮という技術を用います。
パルス圧縮技術とは、主にレーダの探知距離・分解能改善に使用されている技術であり、超音波送信時に変調信号(時間とともに瞬時周波数が変化するチャープ信号)を利用し、受信時に反射エコー信号と参照信号の相互相関処理を行う技術です。
 
パルス圧縮技術を活用して結果、チャープ信号として生成されたパラメトリック差音は、下記の波形信号のように圧縮されました。信号がシャープで規則的となり、距離分解能が高まります。
parametric_ongen4.png
【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
高周波超音波と比較した本技術の利点は以下の4点です。
1)距離分解能が高く、プローブ(音源)近傍の複雑な音場を可視化できる。
2)音波吸収が小さいため、分厚い体脂肪など深部まで映像化が可能。
3)広範囲の映像化が可能。
4)低周波信号を扱うため、装置が小型で安価。
 
【連携企業のイメージ】
本技術の活用・実用化を希望する企業を歓迎します。
例えば、以下に該当する企業へご提案可能です。
1)超音波計測装置を開発・販売している企業。
2)既に超音波計測装置を導入しているが、精度等で課題を持っている企業。
3)計測装置を開発・販売している企業。
4)地中探査機器を開発・販売している企業。
5)医療用検査機を開発・販売している企業。
6)電子機器メーカなどで新しい製品開発を検討している企業。
7)他、本技術の実用化に意欲がある企業。
8)病院・自治体など、本技術の活用・導入に興味があるユーザ。
 
【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
超音波アプリケーションに関する様々な用途へ適用可能です。
例えば、下記の用途に向いています。

1)体内深部のイメージングなど、生体内の深い領域に対して超音波診断を行う用途。
体内の広い領域を一度に計測することにも向いています。
非侵襲、実時間、小型簡便性に優れる超音波診断を用いることにより、がんや動脈硬化症などの生活習慣病等の疾患の早期診断や治療支援へ応用可能です。

2)深部計測・広範囲計測が可能な利点を生かし、油田掘削や地中探査におけるボーリング先端部分の映像化、泥流中での超音波映像や計測へも適用できる可能性があります。

3)広範囲計測、深部計測、ブローブ近傍で鮮明な画像を得たい、などのニーズがある場面で有効です。

4)低周波を用いるため、回路やインタフェース、信号処理の負担が軽くなるため、回路が小型・低コストです。既存の用途に対してもより安価で使いやすい製品として活用可能です。
 
【技術・ノウハウの活用の流れ】
 計測原理は既に確立しています。お問い合わせ後、詳細にご説明させていただきます。
また、野村准教授は超音波計測・イメージングに関して様々な研究を行っています。
超音波に関する技術相談など、お気軽にお問合せください。
 
【専門用語の解説】
【超音波イメージング】
対象物に探触子を当てて超音波を発生させ、反射した超音波を受信し、画像データとして処理する。超音波を発生させると、ごく短い時間のうちに、その音は対象物の中を進んでいき、固いものに当たると反射する。その反射音波を測定し、反射音が返ってくるまでの時間から距離を計算、内部の様子を可視化する技術です。

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