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些小地からの離着陸に適したコンパクトで強力な空飛ぶクルマ用の垂直離着陸ファン(VTOLリフトファン)

資料

些小地からの離着陸に適したコンパクトで強力な空飛ぶクルマ用の垂直離着陸ファン

組織名 風と音と熱のテクノロジー
技術分野 ものづくり
概要

現在、世界中で空飛ぶクルマの開発が進められていますが、離着陸が可能な推力を得るためには大きな直径のローターが必要とされ、そのため街中や山間部等の広い離着陸スペースが取れない地域では、実用化が困難です。同社は、クロスフローの縦流れによる配置性の良さに、ファン回転を遠心力として活用し切る構造のクロスフローファンを開発しました。従来のプロペラファンと比較して上面投影面積が小さく、推進力があり且つ、危険な回転翼がない垂直離着陸ファン(VTOLリフトファン)です。
第一段階の応用としてドローンを想定し、高性能なクロスフローファンを開発しています。空飛ぶクルマ、ドローン等の開発を手掛ける企業との連携を歓迎します。

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【簡略図】

 

【背景】

空飛ぶクルマは、電動で垂直離着陸ができる自動運転が可能な航空機とされており、飛行機やヘリコプターと異なり、離着陸に広いスペースを必要としないため街中や山間部での使用が可能となることが想定されています。これらのことから、空飛ぶクルマが実用化されれば、都市部での送迎や物流、山間部移動手段、観光客の交通手段、災害時の救急搬送等の様々な応用が期待されています。世界では、既に多くのメーカーから商用化に向けた発表がなされ、2040年の経済規模は130兆円といわれています。日本においても、官民協力のもと開発が進められると共に、実用化に向け空飛ぶクルマの離着陸に必要なバーティポートの設置や法整備の取り組みも始まっています。

このような背景の中、特に日本のようなあまり広いスペースがない街の多い地域では、よりコンパクトな機体が求められ、そのためには、推力を担うプロペラ部分を小さく、且つ安全な機構とすることが必要不可欠です。

【技術内容】

風と音と熱のテクノロジーは、消音器や冷却ファンの研究開発に従事してきたメンバーで構成されたスタートアップ企業で、世界中で開発が進む空飛ぶクルマやドローンのためにコンパクトで強力な垂直離着陸ファン(VTOLリフトファン)の開発を行っています。

🔳垂直離着陸ファン(VTOLリフトファン)の開発ターゲット
上面から見たローターの回転面積と浮上に必要な保持重量には下記のグラフに示すような相関関係があります。保持重量が大きければ、それに応じて大きなローター面積が必要になります。同社は、米Opener社が手掛けるBlackflyや熊本県のBlueBee社が開発するXylocopa3020などと同一保持重量で上面から見たローター面積の小さなVTOLリフトファンを開発することとしました。

🔳開発当初の構想「可変型VTOLリフトファン(VAP-1)」
まず、本チームでは、大幅な性能向上を狙い、遠心力を駆動源とする革新的な貫流ファンを検討し、クロスフローファンの翼を可変翼とし、流入部の圧力を下げ、翼列部での圧力を上昇させる機構を実現しました。。

遠心力を駆動源とする革新貫流ファンの提起

革新貫流ファンの構造

これを実現するための機構を考案し実機を試作しました。

この試作では、試作品を回転数300rpmで回転させ、高速度カメラで翼のオープンとクローズができていることを確認しました。

🔳VTOLリフトファンの改良
更に、可変型であるVAP-1に対して、翼を固定化することで構造を簡易にすることを構想しVAP-2を開発しました。この検討にあたって、構造の簡易化だけでなく性能も同等レベル以上にする必要があったため、茨城大学西教授との共同研究により多目的最適化手法を取り入れることとしました。

<CFD解析(流体解析)によるVAP-2の形状検討>
まず、VAP-2モデルの形状を変化させてそれぞれにCFD(定常解析)を実施し、解析結果が最高性能のものをベースモデルとしました。40%サイズでの実機試作により性能試験を実施し、回転数と推力の関係をCFD解析の結果と比較しましたが、試作機はCFD解析よりも低い数値となりました

<西研究室との共同研究による多目的最適化手法>
そこで性能改善のため、茨城大学西研究室による多目的最適化手法を行いました。ここでは、VAP-2のベースモデルの1.8倍の性能を目指し取り組み、最適化モデルを導き出しました。

【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】

・クロスフローを応用したコンパクトなVTOLファンの性能向上を実現した最適モデルです。
・空飛ぶクルマの開発をしている企業の構想に合わせて開発することが可能です。
・ドローンへの搭載を想定して開発しています。

【連携企業のイメージ】

・ドローンの開発をしている企業
・空飛ぶクルマの開発をしている企業

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】

・本製品を応用した、街中でも利用可能な安心安全な新型ドローンの開発。
・ドローンの騒音対策のためのファンの改良に活用。
・空飛ぶクルマの小型化、安全性の向上、騒音低減に取り組まれている企業との連携による問題解決。

【技術・ノウハウの活用の流れ】

本技術にご興味をお持ちの際には、まずはご連絡ください。技術の詳しいご紹介、ご要望にあわせた技術の導入や連携についてご相談させていただきます。

【専門用語の解説】

・空飛ぶクルマ
明確に定義されてはいないが、「電動」「自動(操縦)」「垂直離着陸」といった特徴を持つ「電動垂直離着陸型無操縦者航空機」のこと。我が国でも都市部での送迎サービスや離島や山間部での移動手段、災害時の救急搬送などでの活用を期待されています。

・VTOLファン
VTOL (Vertical Take-Off and Landing) 機は、垂直方向に離着陸できる航空機のことを指し、この機体に使用するリフトファンと呼ばれる円筒形の「機体」の中にファンを収めた方式のことを指します。

・CFD解析
流体解析は、流体力学を応用した数値解析手法で、コンピュータを用いて物体の流れや熱の移動をシミュレーションできます。流体解析は、製造業から建築、工学、スポーツなど多岐にわたる分野で活用されています。

・多目的最適化設計手法
一般的に言われる最適化問題とは異なり、複数の目的を同時に最適化する手法です。一つの解だけでなく、異なる目的間の背反する性能を考慮した解を見つけ出す手法です。

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