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スポーツ競技におけるスタート練習や走力評価が可能となる安価なウェアラブル自主トレーニング装置

資料

スポーツ競技におけるスタート練習や走力評価が可能となるウェアラブル自主トレーニング装置

組織名 鹿児島大学 理工学域工学系 理工学研究科(工学系) 熊澤 典良 准教授
技術分野 IT , センサー/デバイス
概要

短距離走などの陸上選手が自主トレーニングをする際、スタート練習においては号砲を発する補助者が必要であったり、また走力を客観的に評価することが難しいといった課題があり、一人では効果的な練習を行うことは困難です。鹿児島大学 熊澤教授が開発した自主トレーニング装置は、安価なウェアラブルセンサーと、設置型の赤外線通信機により構成され、センサーが号砲音を発してスタート練習ができ、また、走者の加速度を直接測定することで走力を計測することができる自主トレーニング装置です。

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【簡略図】

【背景】

昨今、様々なスポーツ競技において、選手の練習をサポートするシステムやセンサーなどのIoT機器が多く活用されるようになってきました。それらのIoT機器は、選手の日々の自主トレーニングにも応用され、より効果的な練習メニューを取り入れることで、選手のパフォーマンス向上に貢献しています。

陸上競技においても、特に短距離走/中長距離走等のトラック競技は、スタート練習など一人で行う自主トレーニングがやりにくい練習メニューがあり、練習をサポートするシステムが求められています。しかし、従来ある装置は、大がかりで設置に時間がかるなど、選手が気軽に取り入れるものではありませんでした。

【技術内容】

本技術は、運動競技全般に応用できますが、例えば陸上競技の中でも特に、短距離走/中長距離走などのトラック競技において、スタート練習を効果的に行うことができ、また走者の加速度を計測することで走行状態を計測することができます。

<ウエアラブルセンサー>

まず研究者が開発した装置は、選手が装着するウェアラブルセンサーです。このセンサーは、加速度センサーとスピーカーを内蔵しています。また、後述する設置型センサーから発信させる赤外線の受講部も備えています。

■スタート検出

1.本装置は、スタート準備を促すアナウンスの後、スタートを促す号砲音をランダムな間隔で発生させます。
2.号砲音を出力してから、加速度センサーがスタートと認識する値を超えるまでの時間を、スタート反応時間
として測定します。
3.被験者がフライングした場合には、フライングした旨を伝えるアラームが鳴ります。

■加速度センシング

上記の通りスタートを検出してからの加速度を時系列で記録することができ、被験者の走力状態を計測することができます。

<設置型センサー>

また研究者は、上記のウェアラブルセンサーに加え、コース横に設置する設置型のセンサーを開発しました。このセンサーは赤外線送信機を搭載し、被験者の通過する方向と赤外線を発信する赤外線が直交するように設置します。ウェアラブルセンサーには赤外線の受講部があり、選手が設置型センサーの前を通過したことを検出することができます。バッテリーを有し(電池でも可)スタントアローンで動作する仕組みです。

以下は、設置型センサーから出力される赤外線信号の例ですが、データ部にスタート地点から何番目に設置したセンサーか等の情報を格納することができます。

🔳被検者の運動状態の計測
例えば、コースの中盤とゴール地点に本設置型センサーを設置した場合、スタートから中盤までのウェアラブルセンサーの加速度と中盤からゴールまでの加速度を計測し、運動状態の計測に役立てることができます。
また、長距離走においては、トラックを何週したかをカウントすることもできます。計測の要望に合わせて、設置型センサーは複数台設置することもできます。

【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】

・本装置は安価なセンサーや部品のみで構成できるため、安価なシステムとして実装できます。従来製品である光電管式に比べてコストは数十分の1以下です。
・ウェアラブルセンサーと、置くだけの簡単な設置型センサーなので、いつでもどこでも活用できます。
・選手が一人で行う自主トレーニングに最適です。
・センサーデータを蓄積し、トレーニング結果を解析することにも役立ちます。

【連携企業のイメージ】

・スポーツトレーニングメニューを提供する企業
・ スポーツメーカー
・IoTセンサーの開発メーカー

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】

・陸上競技や水泳などのスポーツ競技全般のトレーニングや解析
・陸上のトラック競技だけではなく、マラソンなどの長距離や水泳、また、アメリカン
・フットボール等の各種競技の練習にも活用できます。
・競馬、モータスポーツのトレーニングや解析、乗り物による競技のトレーニングにも活用できます。
本装置をどのように実装するかは、連携する企業様が希望する活用シーンに合わせて検討できます。

【専門用語の解説】

・ウェアラブルセンサー
ウェアラブルとは「身に着けられる」という意味で、衣服や腕、首などに装着可能なIoT機器やセンサーのこと。

・加速度センサー
加速度センサーとは速度変化(加速度)を測定するセンサーのこと。
測定するものの中には重力加速度も含まれ、例えば、人の動きや振動、衝撃などが検知できます。

・赤外線送信機
赤外線という形の電磁波を使用して情報を送信する装置のこと。赤外線は可視光線よりも波長が長いため見えませんが、テレビのリモコン等広く利用されています。

・号砲音
競技のスタート時に、合図のために撃つ銃砲のこと。

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