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Software-Defined Dentistryに向けた歯科治療ロボット

資料

Software-Defined Dentistryに向けた歯科治療ロボット

組織名 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 菊地 聖史 教授
技術分野 ものづくり , 医工連携/ライフサイエンス
概要

 近年、歯科へのCAD/CAM技術の導入により、歯科技工領域を中心としてデジタル化が急速に進んでいます。一方、歯の切削は、依然として手作業で行っています。本技術は、歯の切削を自動で行う歯科治療ロボットの開発によって“Software-Defined Dentistry”を具現化することを目的としています。
歯科治療ロボットの効果として、歯の切削精度の向上とばらつきの減少が考えられます。これにより歯科修復物の適合精度が向上し、装着後の脱落や破損、二次ウ蝕などのトラブルが減少することが期待されます。
歯科治療ロボットを従来の歯科用CAD/CAMシステムと統合することで歯の切削から修復物の製作までの全ての工程がデジタル化され、コンピュータ支援のメリットが最大限に発揮されます。また、切削条件の最適化やAIとの親和性、歯学教育システムへの応用など、派生効果も大きいと考えられます。

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【簡略図】

図1 試作歯科治療ロボット(第1世代)

  図1に試作歯科治療ロボット(第1世代)を示します。同ロボットでは、まずカメラやプローブユニットを用いて対象歯の形状を測定します。次に、歯をどのような形に削るかを設計します。本技術では、歯の特徴点を基準とし、円弧やベジエ曲線などの幾何要素を一定のルールに基づいて配置することで、滑らかで最狭部まで工具が到達可能な形状を設計する方法を考案しています。さらに、エアタービンユニットを用いて歯の自動切削を行います。

【背景】

歯科治療において歯の切削は歯科修復物製作の出発点であり、その仕上がりは以降の全ての工程に大きな影響を及ぼします。歯科用CAD/CAMシステムやジルコニアセラミックスのような新しい技術や材料の利点を最大限に活かすには、歯の切削を自動化する必要があると考えられます。しかし、次のような技術的課題があります。

・専用のロボット(切削装置)の開発
-患者さんの動きを想定した安全機構
-患者さんの口腔と装置の接続方法

・専用のソフトウェアの開発
-ウ蝕の範囲や修復に用いる材料などに応じた切削形状の設計法
-切削条件や装置の制御方法

歯科治療ロボット(第1世代)の試作によって切削形状の設計法を始めとして切削条件や装置の制御方法などの技術要素を蓄積することができました。しかし、切削装置が大きく重かったため、装置の大部分を口腔外に配置せざるを得ず、支持方法や患者の歯列に対する位置決め方法、患者の動きへの追従性、操作性、可搬性等の面で問題がありました。また、データ形式が独自で他のシステムとの互換性がありませんでした。開発中の第2世代では、特許取得済みの技術を用いることでこれらの問題の解決を目指しています。

【技術内容】

図2 切削範囲の自動設計例

🔳試作CADの主な機能
・対象歯の裂溝の位置をマウスで指定するだけで切削範囲を自動設計(図2)

🔳試作CAMの主な機能
・溝切削用と拡大切削用の2段階のツールパスを生成
・カット方向や切り込み幅などの切削条件を設定可能

🔳試作制御ソフトの主な機能
・ツールパスと術者の設定に基づき切削実行
・切削負荷に応じて工具の送り速度を自動制御

開発中の第2世代ロボットは、特許取得済みの技術を用いて第1世代の問題を解決し、実用化に近づけることを目指しています(図3、表1)。

図3歯科治療ロボット(第2世代)の概念図

表1新旧システムの比較

※関連する発表論文・特許名称・出願番号等
・Kikuchi M. Geometric design method for class I inlay cavity. Dent Mater J, 29(6): 637-41, 2010.
・Kikuchi M et al. Geometric design method for occlusal outlines of complex class I and class II inlay cavities. Dent Mater J, 30(5): 648-54, 2011.
・特許第6715518号 口腔内加工装置及び口腔内治療システム, 2020.
・特許第7075133号 動力伝達装置及び口腔内加工装置, 2022.
・特許第7148952号 動力伝達装置及び口腔内加工装置, 2022.

【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】

・歯の切削精度の向上とばらつきの減少(歯科修復物の適合精度の向上)
・従来の歯科用CAD/CAMシステムと統合により歯の切削から修復物の製作までフルデジタル化
(コンピュータ支援のメリットの最大化)
・切削条件の最適化や歯学教育システムへの応用などの派生効果
・Software-Defined Dentistryによる曖昧さの排除、治療の最適化、治療技術の蓄積と継承、AIとの親和性

【連携企業のイメージ】

・歯科用CAD/CAMシステム開発企業
・歯科用切削機器開発企業
・医療用ロボット開発企業
・工作機械メーカー

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】

連携企業との共同研究開発

【技術・ノウハウの活用の流れ】

共同研究開発を希望。まずは面談を調整させていただきます。

【専門用語の解説】

Software-Defined:ソフトウェアで定義・制御すること。
Software-Defined Dentistry (SDD):歯科治療のソフトウェアによる定義・制御

🔳関連語
・Software-Defined Networking (SDN):ソフトウェアで動的・柔軟なネットワークを構築する技術
・Software-Defined Storage (SDS):ソフトウェアで外部記憶装置の物理的な構成を抽象化する技術
・Software-Defined Radio (SDR):ソフトウェアで無線通信方式を柔軟に切り替える技術

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