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高性能かつ利便性の向上をさせた表面増強ラマン散乱測定用デバイスを安価に提供

資料

高性能かつ利便性の向上をさせた表面増強ラマン錯乱測定用デバイスを安価に提供

組織名 東洋大学 生命科学研究科生命科学専攻 竹井 弘之教授
技術分野 その他 , ものづくり , 新エネルギー/省エネルギー
概要

微量かつ低濃度の分子や化学物質でも高感度で検出することが可能な表面増強ラマン散乱(SERS: Surface-Enhanced Raman Scattering)について、1)製造方法の工夫による製造コストの大幅削減 2)作製された基板の使用期限の延長 3)使い勝手を考慮した形状のデバイス提供という目的に応じて研究開発を行い、様々な形態のSERSデバイスを開発しました。これにより、低濃度・微量のサンプルの測定や液体だけでなく固体表面に吸着した物質をこれまでよりも安価に同定することが可能になりました。

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【簡略図】

【背景】

近年、迅速性およびその場測定が可能な表面増強ラマン分光法(Surface-enhanced Raman spectroscopy: SERS)がバイオ医療分野での需要増加、環境モニタリングの強化、食品安全への関心の高まりに伴い注目され、装置については100 万円以下で市販されるようになりました。しかし、消耗品である SERS 基板が高額で、一回の測定で 5000 円程度の支出が必要となる点が課題となっています。また、アプリケーションの拡大に伴い、SERS 基板についても多様性が求められています。
以上の背景から、本研究は、以下の目的を達成するために、研究開発してきました。
1)製造方法の工夫による製造コストの大幅削減(従来の十分の一以下)
2)基板の使用期限の延長(半年)
3)使い勝手を考慮した形状のデバイス提供

【技術内容】

製造方法の工夫による製造コストの大幅削減
標準基板は、スライドガラス上に、SERS活性部位(直径 3 mm)が最大50スポット形成されています。各スポットは撥水領域により囲まれていることから、滴下されたサンプル水溶液はスポット領域に留まります。

図1:標準型SERS基板

表面のナノ構造はAgFON(silver film on nanosphere)法により形成されています。aminopropyl trimethoxy silaneで処理されたガラス表面にシリカナノ粒子(粒径100 nm)の単層が吸着されており、真空蒸着により銀構造が形成されます。8枚の基板(400 テスト分)を90分以内に用意することができます。この、製造方法により10分の1以下のコスト低減が見込め、市場の拡大につながると思われます。

濃縮型基板

低濃度のサンプルを測定する際、乾燥濃縮による前処理を行い測定する手法が有効です。直径1 mmのSERSスポットは超撥水領域により囲まれています。また。SERS部位の表面は親水性であるため、微量の水溶液を捕捉するのに有利です。サンプルの乾燥により、容易に濃縮が実行でき、SERS信号の更なる増強が可能となります。

図2:超撥水処理によるサンプル濃縮

圧着型SERSデバイス:FlexiSERS

従来の SERS 基板は、高純度の液体もしくは懸濁物質を分析するために用いられます。これらの基板を用いて固体表面に吸着した物質を測定するには、サンプリング・溶解・滴下の前処理が必要でした。分析時間の大幅短縮のために、本技術は柔軟性基板表面の上に貴金属ナノ構造体が形成されたデバイスを開発しました。パッド表面にAgFON構造が形成されているため、凹凸表面に追従でき、検出対象物の効率的な転写に有効です。農作物表面の残留農薬等の検出例があります。

図3:FlexiSERSによる検出例

これらの基板は、一定量を定期的に作製していており、SERS研究の着手を検討している研究グループおよびに企業にはサンプル提供が可能です。測定例およびに市販SERS基板との比較評価に関するデータも、ご要望に応じて提供いたします。
測定ニーズを有する企業・研究所との共同研究や、今後のデバイスファミリーの拡張に必要な技術(粘着テープ、TLC層形成技術、高気密性パッケージング、小型光学検出装置)での連携先を探しています。

【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】

・製造方法の工夫による製造コストの大幅削減を実現しました(従来の十分の一以下)
・基板の使用期限の延長を実現しました
・目的に応じて次の様な形態のSERSデバイスを用意しています

【連携企業のイメージ】

例えば下記の企業と連携可能です。
1)測定ニーズを有する企業・研究所
2)粘着テープ、高気密性パッケージング、小型光学検出装置等、デバイスファミリーの拡張に必要な技術を保有している企業

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】

製造現場:原料の品質管理
農業:残留農薬の検出
食品:添加物・成分の評価
環境モニタリング:異臭の評価

【技術・ノウハウの活用の流れ】

・研究室で、測定を希望する物質をSERS法で測らせて頂きます。
・測定が可能ならば、一定枚数の基板を、提供致します。
本技術の活用に興味がある方はお気軽にお問合せください。

【専門用語の解説】

・表面増強ラマン分光法(Surface-enhanced Raman spectroscopy: SERS)
ラマン分光法とは、ラマン散乱光を用いて物質の評価を行う分光法。表面増強ラマン分光法は金属基板上の局在表面プラズモン共鳴により、通常のラマン分光法よりも数桁以上高い感度を提供することができ、無標識の微量分析に有効である。

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