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資料 | |
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組織名 | 国立大学法人 電気通信大学 大学院情報システム学研究科 知能システム学講座 末廣 尚士 教授、工藤 俊亮 准教授、冨沢 哲雄 助教 |
技術分野 | IT , その他 , ものづくり |
概要 |
人の役に立つ知能ロボットの研究を進めています。1)ロボットアームを核としたマニピュレーションシステム、2)各種カメラ・センサ等を用いた空間認識技術、3)高度な学習機能・判断機能を持つ人工知能システム、4)安全かつ自律的な移動ロボット、5)ロボット用ミドルウェアなど、ロボティクスに係る横断なノウハウを保有しています。作業用ロボット、生活支援ロボット、マニピュレータ制御など、ロボティクスに係る技術相談・共同研究へ意欲的な企業を歓迎します。 |
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詳細 |
【簡略図】
【背景】
ロボットは、工場内での作業用ロボットを始めとして様々な用途で活用されていますが、その技術の進展から、近年ではより高度な作業を行うロボットや、家庭向けサービスロボット、介護支援ロボットなど、活用用途が急拡大しています。特に最近では、政府が主導するIT融合ビジョンの重点分野として、「社会システム対応ロボット(IT×ロボット)」が挙げられるなど、さらなる市場成長、技術成長が見込まれています。
このようなロボットを開発するには、ロボットが自律的に知的な認識・判断・制御を行う知的ロボティクス技術が非常に重要です。知能システム学講座では、知的ロボティクスに関する様々な研究を進めています。
【技術内容】
ロボティクスに関して、マニピュレーションシステム、人間行動の観察学習、自律移動ロボット、統合化技術を研究しています。
(マニピュレーションシステム)
ロボットアームを用いたマニピュレーション技術を研究しています。従来の産業用ロボットは、工場内の整備された環境で形状が決まったものをハンドリングしてきましたが、本研究室では、学習機能により、形状が変化する柔軟物でも扱えるような知能システムを研究しています。
(人間行動の観察学習)
人間が行っている複雑な動作を観察し、「作業のコツ」をロボットがスキルとして身に着けることを目標に研究しています。たとえば、柔軟でグニャグニャと変形するひもをロボットが結ぶ、などの作業は、予め登録した動作処理のみでは対応できませんが、作業スキルを学習したロボットであれば対応が可能です。また、コツさえわかれば、多少の情報量のみで適切な作業を行うことが可能です。たとえば、「ひもを結ぶ動作」に関しても、作業スキルの学習前ではデータを毎秒2万点取っていますが、人間が適切な点を教えれば12点で充分足りることが分かっています。認識処理の向上、処理高速化に役立つノウハウです。
※ひも結びロボット
(自律移動ロボット)
人間は、はじめて訪れた場所であっても、地図さえあれば、いま自分がどこにいて、どうすれば目的地まで到達できるかを判断することができます。ロボットに同等の知能を持たせるため、多くの人間が共存する現実的な環境で、屋内外を問わずどこにいてもロボット自身の位置や周囲の状況を正確に把握し、任意の場所まで安全に移動できる知能システムを研究しています。
※ロボットの周囲をレーザでスキャンします。スキャンした結果から、障害物の有無を検出し、経路全体の環境地図を作成します。
(統合化技術(ミドルウェア))
ロボットを構成する各要素技術の研究においては、ロボット用コンポーネントの世界標準に基づくRTミドルウェアを積極的に利用して、構造が明確で再利用しやすいシステム構築を行っています。また単にそれらを利用するだけでなくミドルウェアや必要なツールの研究開発や、標準化への貢献も行っています。
【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
知能システム学講座では、末廣 教授、工藤 准教授、富沢 助教の得意分野を生かした、ロボティクスに関わる横断的な研究体制を構築しており、豊富なノウハウを保有しています。
(得意分野)
末廣 教授 :マニピュレーションシステム、RTミドルウェア
工藤 准教授:人間の行動観察・理解、コンピュータビジョン
冨沢 助教 :自律移動ロボット、サービスロボット、メカトロニクス
ソフトウェアだけでなくハードウェアにも強みがあり、ハードウェアの自作や改造による簡易ロボットの試作なども研究室内で行っています。
【連携企業のイメージ】
ロボティクスに関する技術相談、共同研究を希望する企業を歓迎します。例えば、以下に該当する企業と連携可能です。
1)ロボットの研究開発を行っている企業。
2)ロボット用の要素技術の研究開発を行っている企業。(マニピュレータ制御、知能システムなど)
3)自社製品のロボティクス化に興味がある企業。
【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
ロボティクスに関係する様々な応用可能性があります。例えば以下の用途が考えられます。
1)マニピュレーションシステム
形状が異なる物体、あるいは登録していない未知の物体であっても、適切につかむ、離すなど、ロボットアームに器用な動作をさせることが可能です。様々な物体をマニピュレーションする用途で適用可能性があります。
2)作業用ロボット
工場内において、単純な作業ではロボッ
ト化が進んでいますが、複雑な動作が必要な作業ではまだまだ人間の手に頼っているのが現状です。
人間が行っている複雑な動作を学習させることにより、複雑な作業工程をロボットが高速に処理することができる可能性があります。
3)物品の搬送ロボット
工場内の搬送ロボット(AVG)では、人や物の移動が頻繁であるケースが多く、障害物の位置が頻繁に変わるため、経路を事前に登録しても常に最適とは限りません。
本研究では、搬送用ロボットへ各種カメラ・センサを取り付けて外部情報を収集し、環境地図・最適経路を自動生成して自律的かつ安全に移動することが可能なため、一時的な障害物を避けて目的地まで物を搬送するロボットを開発できる可能性があります。
【技術・ノウハウの活用の流れ】
ロボティクス全般に関する技術相談へ対応可能です。お問い合わせ後、技術相談に対する共同研究のご提案や、研究室にあるロボットのご紹介などさせていただきます。
【専門用語の解説】
(知能ロボティクス)
ロボットが人間と同等の高度な認識や学習、作業などを行うための人工知能の学問です。将来的に家庭用ロボットやサービスロボット、介護用ロボットなどが普及し、人間とロボットが共生する社会を作っていくための基幹技術領域です。
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