トップページ > 大学の技術・ノウハウ > ナノ空間工学による浄水技術 -PFASの電気分解-
資料 | |
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組織名 | 琉球大学 理学部 海洋自然科学科 滝本 大祐 准教授 |
技術分野 | ナノテクノロジー , ものづくり , 環境/有機化学/無機化学 |
概要 |
本技術は、ナノ空間材料を用いたフッ素化合物の電気分解技術です。従来は電気分解が困難であったフッ素化合物について、ナノ空間材料を用いることで分解率を高められました。新規な点は、ナノ空間が豊富な炭素材料を用いた流動電極を用いた点です。また、有害化合物の除去で用いた炭素材料を吸着材として再利用できる特長もあります。 |
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PFASは人の健康又は環境への悪影響を及ぼしかねない残留性有機汚染物質であり、除去・分解の技術開発が社会的に要求されています。
既存技術では、化学薬品、生分解、熱分解、光分解、高温高圧分解、電気分解などがありますが、それぞれ課題があります。特に電気分解法については、「電極の種類や構造の選択自由度が幅広い」「数Vで高温に匹敵するエネルギーを利用可能」「特種な分解容器が不要」というメリットがあり、高効率・低コストで分解できる電気分解技術の開発が急務となっております。
従来の電気分解セルでは、「分解時間が長い」「完全分解が困難」という課題がありました。
本技術では、新しい反応場の提案、および分解セルの設計について提案します。
新しい反応場として、「ナノ空間」反応場を用いることを提案します。
〇「ナノ空間」反応場の特長
層状化合物(ナノ空間化合物)を用いて空間的制約による束縛を与えることで
「PFASが自由に動き回れない環境」「連続的な電子授受」が可能となりました。
〇研究成果
100 ppm PFHxSを含む電解質水溶液を用いて電気分解したところ、ナノ空間を持た
ない材料では、ほとんど電気分解しませんでした。
一方、ナノ空間材料を用いると96%のPFHxS電気分解に成功しました。
※特願2024-34562「流動電極型電気分解方法及び装置」
〇将来展望
実用化に向け、分解効率の向上、時間当たりの分解量の向上に向けて電気分解説の構造開発を行っていく予定です。
・分解が困難であったフッ素化合物の分解率を高められた
・ナノ空間が豊富な炭素材料を用いた流動電極を用いた
・有害化合物の除去で用いた炭素材料を吸着材として再利用できる
・環境事業に取り組む企業
・河川や地下水の浄化に取り組む企業、自治体
・汚染水の浄化技術を提供する企業
・PFAS分解、浄化に取り組む企業
・その他、本技術のご活用を検討頂ける企業
目的に向けて本技術の活用が適切か分からない場合にも、まずはご相談ください。
・河川や地下水等のPFOSやPFOAによる汚染の解決
・再利用可能な炭素材料の開発により、コストと資源の問題の解決 など
本研究にご興味があればお気軽にお問合せください。
詳しい研究紹介を含め、連携に向けご面談等のアレンジが可能です。
・PFAS
ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称。
4730種類以上が存在する。
・電気分解
分解したい対象物質を溶解させた溶液に電圧をかけて電流を流すことで、化合物に対して正極側で酸化反応、負極側で還元反応を引き起こし、それによって電気化学的に分解する方法。
装置は主に電極、電源、電解槽の3つで構成されている。電極の正極、負極の決定は標準酸化還元電位により、値が大きいほうが負極となり、電解槽で反応するイオンも決定される。
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