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高い熱伝達性を実現する微細流路伝熱管を用いた熱交換器の開発設計

資料

高い熱伝達性を実現する微細流路伝熱管を用いた熱交換器の開発設計

組織名 国立大学法人 電気通信大学 情報理工学研究科 榎木 光治 助教
技術分野 ものづくり
概要

熱交換器は空調機を中心に高効率化が進んでいて、螺旋溝付伝熱管を用いた熱交換器が主流になっています。本研究では、螺旋溝付伝熱管とは異なり、内径が1mm程度の微細流路を特徴とする伝熱管を用いた新型熱交換器を開発するために、実験的研究を行っています。研究では、微細流路管の熱伝達率を測定するほか、圧力損失の計測、および可視化ガラス管と高速度カメラを用いた伝熱と圧力損失のメカニズムの解明を行っています。空調機に限らず、本研究成果の他方面への活用を希望する方のお問合せをお待ちしております。

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【簡略図】
20151113095937.png【背景】
近年、熱交換器の高性能化のために、冷媒の流路を微細化する傾向にあり、その最適設計のためには、微細管内における沸騰・凝縮の熱伝達と圧力損失の特性をまず明らかにする必要があります。また、管内を気液二相流状態で流れる冷媒の沸騰・凝縮熱伝達や圧力損失の特性は、管内冷媒流れの様子(流動様相)と密接に関連しています。これまでの研究で、微細流路の熱伝達には、強制対流蒸発熱伝達と核沸騰熱伝達の寄与に加え、微細流路に特有の熱伝達現象によって良好な熱伝達を達成することが明らかになりました。
本研究室では微細流路管を用いた熱交換器の開発に関する研究を行っています。本研究成果の活用を希望する方のお問合せをお待ちしております。

【技術内容】
現在の熱交換器では、「螺旋溝付伝熱管」が主流です。
 20151113100309.png
(蛭子ら,日本機械学会熱工学講演論文集,1997)

本研究の微細管は下記の構造です。(内径は1mm程度)
20151113100343.pngこの微細管の特徴は、「冷媒流路を1mm程度まで微細化している」という点です。また、非円形の流路断面中央部では熱抵抗となる液膜が薄くなり、熱伝達が良好となる伝熱メカニズムを、可視化実験から明らかにしました。
20151113100421.png【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
◆微細管内を使用することで熱交換器の性能が格段に向上します。
◆消費電力の低下や熱交換器の小型化、冷媒充填量を減らすことに繋がります。
◆空調機に限らず、さまざまな熱交換器に応用できます。
(例:自動車、電子機器、太陽光温水器など)

原理検証のため、円形流路(下記左図)、非円形流路(四角形型、下記中央図)、非円形流路(三角型、下記右図)を対象に流動様相の可視化実験を行いました。
20151113100502.png20151113100555.png微細流路を用いた熱伝達実験において、これまでの伝熱管では良好な熱伝達を達し得なかった、低流量・低熱流束の条件で、微細流路管は非常に良好な熱伝達性能を示しました。(グラフは一例)
特に円形管よりも非円形管の熱伝達性能は数倍程度良好であることが明らかになりました。(横軸(X)は蒸気の質量割合、縦軸(α)は熱伝達率です。)20151113100519.png垂直上昇流と下降流の円形管について、可視化の映像例を以下に示します。
20151113100658.png
【連携企業のイメージ】
例えば下記の企業と連携可能性があります。
1)熱交換器の製造メーカ
2)熱交換器の利用ユーザ(空調機器メーカなど)
3)新製品開発に意欲的なものづくり企業
4)他、本技術の活用に意欲がある企業など。

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
熱交換器用途で利用可能です。流動方向は垂直上昇、下降、水平流に、流体についてはフロン系冷媒だけでなく、他の流体への適用可能性などもお気軽にご相談ください。 また、熱交換器内の流動の可視化・分析や気液二相流の技術相談などにも対応可能です。

【技術・ノウハウの活用の流れ】
本研究成果の活用にご興味があればお気軽にお問合せください。技術のご紹介やデモ、ご相談など対応させていただきます。

【専門用語の解説】
(熱交換器)
 熱交換器は保有する熱エネルギーの異なる2つの流体間で熱エネルギーを交換するために使用する機器です。温度の高い物体から低い物体へ効率的に熱を移動させることで物体の加熱や冷却を行う目的で用いられ、空調機器やボイラー等様々な用途で利用されています。

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