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プラッギングフリー燃料電池流路の実現

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プラッギングフリー燃料電池流路の実現

組織名 国立大学法人 電気通信大学 大学院情報理工学研究科 大川 富雄 教授
技術分野 ものづくり、新エネルギー/省エネルギー
概要 燃料電池の一種であるPEFCは、水素と酸素の化学反応により水と電気を生成しますが、効率的に発電を行うには生成水を速やかに外に出しガスの導入を妨げないようにする必要があります。しかし生成水の目詰まりで発電効率が低下する「プラッギング現象」が問題視されています。そこで、導入ガス(気相)と水(液相)の界面の濡れ性を簡易的な手法で向上させることにより、目詰まりが起こらないブラッキングフリー流路を確立しました。本技術の実用化を希望する企業を歓迎します。
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【背景】
 新エネルギー社会の進展に伴い、電気化学反応によって電力を取り出す燃料電池の需要は年々高まっています。燃料電池には様々な種類がありますが、なかでも固体高分子型燃料電池であるPEFCは、室温動作と小型軽量化が可能であるため、主に小型用途での発電手法として携帯機器や燃料電池自動車などへの応用が期待されています。PEFCは、空気流中の酸素が水素と結合し、水と電気を生成します。[1]

燃料電池.jpgこのとき、生成水による流路閉塞(プラッギング)が生じると、圧力損失が急激に増加し、空気流量の低下および燃料電池電圧の時間変動を生じます。[2]

燃料電池2.jpg
 ※上図の高流量条件(464sccm)では、プラッギングが生じていないため、電圧(縦軸)は時間的に変化していません。下図の低流量条件(116sccm)では、プラッギングが生じているため、電圧が時間的に変化しています。すなわち、発電効率の低下を引き起こす可能性があります。

PEFCの性能向上を図るには、プラッギングを起こさない、すなわち、生成水が速やかに外へ排出され目詰まりを起こさないことが重要です。
そこで、本技術では、気液二相流の制御手法を用いることにより、プラッギングフリーの燃料電池をご提案します。

【技術内容】
本技術の原理は以下の通りです。

1)気液二相流の技術理論によれば、プラッギングは、流路断面内における液体の分布が概ね軸対称対象であることに起因して引き起こされます。
  →軸対称の液分布を防げば、プラッギングの発生は解消できます。
2)PEFCセパレータ流路は小口径であり、表面張力の影響を顕著に受けます。
  →濡れ性の制御により、流れを変えることが可能です。
3)PEFCセパレータ流路は小液流量であり、慣性の影響は相対的に小さいです。
 →慣性に関する力学現象は特に気にする必要はありません。

上記3点の特徴を利用し、周方向の濡れ性を非均一にすることで、プラッキングが発生しない流路を確立しました。[3][4]
プラッキング.jpg
Aは周方向の全面の濡れ性が悪い流路です。
Lは周方向の全面の濡れ性が良い流路です。
いずれも軸対称型で、時間ごとに圧力損失が大きく変動しています。

Iは周方向のうち3面は濡れ性が良く、1面は濡れ性が悪い軸非対称の流路です。
プラッギングが起こらないため、圧力損失の時間変動をきわめて低く抑えられています。

文献
[1]    http://www.e-microtec.co.jp/biz_area/fcE.html
[2]    H. Masuda et al., 2011. A visualization study on relationship between water-droplet behavior and cell voltage appeared in straight, parallel and serpentine channel pattern cellsJ. Power Sources 196:5377-5385.
[3]    T. Okawa et al., 2012. Reducing two-phase pressure drop with a flow channel of non-uniform wettability in the circumferential direction, Japan-U.S. Seminar on Two-Phase flow Dynamics.
[4]    岡本、大川、木下、竹田、ミニチャンネル圧力損失に及ぼす周方向濡れ非均一の影響、日本混相流学会年会講演会、B114 (2012).


【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
既存の技術では、プラッギングの発生によってPEFCの性能低下を引き起こしていますが、本技術ではプラッギングフリーであるため性能を劣化させません。
上図の軸対象流路(A・L)と比較し、軸非対称流路(I)では、圧力損失の標準偏差が1/10、時間平均で1/3程度まで低減することに成功しています。 
大川教授は混相流の解析の専門家であり、そのノウハウが強みです。

【連携企業のイメージ】
本技術の実用化を希望する企業を歓迎します。
例えば、以下に該当する企業へご提案可能です。
1)燃料電池の研究開発を行っている企業。
2)燃料電池用部品(セパレータ等)の研究開発を行っている企業。
3)マイクロ流路内の混相流体の流動性向上を希望する企業。

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
・燃料電池の性能向上へ活用可能です。
・用途によりますが、マイクロ流路への適用可能性があります。

【技術・ノウハウの活用の流れ】
基本的な手法は既に確立しています。お問い合わせ後、技術の詳細説明をさせていただきます。
 また、大川教授は、伝熱工学および界面工学の専門家であり、熱伝導、マイクロ流路、気相・液相間の流体分析、噴流、沸騰などに関して豊富なノウハウがあります。
これらの技術分野に関わる技術相談・共同研究へ対応可能です。

【専門用語の解説】
(PEFC)
 固体高分子形燃料電池(PEFC)は、イオン交換膜を挟んで、正極に酸化剤を、負極に還元剤(燃料)を供給することにより発電します。起動が早く、運転温度も80-100℃と低いですが、水素を燃料に用いる場合では、触媒に高価な白金を使用しており、燃料中に一酸化炭素が存在すると触媒の白金が劣化します。そのため、触媒として使用される白金の使用量を減らすことと、電解質として使用されるフッ素系イオン交換樹脂の耐久性の向上とコストが今後普及の課題とされています。

(気液二相流)
 気体と液体が交じり合った流れを指します。通常の流体解析に加え、界面張力など様々な物理現象が働くため、その解析には相当なノウハウを必要とします。
 大川教授はこの解析ノウハウをもとに、燃料電池内の気相・液相間の循環をなめらかにする技術を確立しました。

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