トップページ > 大学の技術・ノウハウ > ミストを利用した高効率冷却~濡らさずに蒸発潜熱を利用~
資料 | |
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組織名 | 琉球大学 工学部 工学科エネルギー環境工学コース 安田 啓太 准教授 |
技術分野 | 新エネルギー/省エネルギー , 環境/有機化学/無機化学 |
概要 |
ハイブリッド自動車等、出力に対してバッテリー容量が小さい場合、バッテリーの温度管理において発熱への対応が重要です。この技術では高効率かつ簡素的なバッテリー冷却を目的に、空気による衝突噴流に水を噴霧したミストを加えて水の蒸発潜熱による冷却を行います。その際、バッテリーを濡らさずに冷却することが求められます。そのため供給することができるミストの量は環境温度・湿度によって変化します。この技術では、環境温度・湿度に対応した最適なミスト供給量とそれによる冷却効果を提示することで高効率な冷却を可能にします。 |
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詳細 |
ハイブリッド自動車は2023年の年間販売台数が421万台と前年比3割増となり世界的にその重要性が見直されてきています。そのため、簡易的でかつ高効率な冷却が可能な本技術が採用されれば社会に与える影響は大きいといえます。さらに本技術は他の物体冷却にも応用可能です。気候変動にともない時々刻々と変化する地球環境のなかで冷却が課題となっている事例は多くあり、それらに適応する冷却技術として利用可能です。
〇ミストジェットを搭載したHEVの冷却システム
ハイブリッド自動車(HEV)は電気自動車(EV)に比べて電池が小さいのでバッテリーの温度が上がりやすいのがHEVの欠点です。
本技術は、走行風による冷却+空気の衝突噴流にミストを付加して冷却を促進する事で、高効率かつ簡素的なバッテリー冷却を実現します。
空気中に噴霧したミストが完全に蒸発した状態の、ミストの蒸発潜熱を利用して冷却された空気によって対象物を冷却する冷却装置、並びに、空気中に噴霧されたミストが完全に蒸発した状態を仮想して、噴霧する現場の環境条件(気温、湿度)に合わせて、空気中に噴霧するミスト噴霧量を制御する方法及びプログラムを提供します。
〇技術の詳細
・実験的に冷却対象が濡れる条件を明らかにしました
・実験結果を再現することができるシミュレーションを構築しました
・シミュレーションを用いて適切なミスト供給量を導出
⇒最適な冷却条件を導出しました
実験装置の概略図
上図:主流温度31.0℃のよどみ温度と流出するミスト流量の比較
下図:主流温度31.0℃での温度分布
本技術は他の物体冷却にも応用可能です。
気候変動にともない時々刻々と変化する地球環境のなかで冷却が課題となっている事例は多くあり、それらに適応する冷却技術として利用可能です。
関連特許:
蒸発潜熱を利用した冷却装置、ミスト噴霧量制御方法及び制御プログラム
(特願2023-186272)
この技術では、環境温度・湿度に対応した最適なミスト供給量とそれによる冷却効果を提示することで高効率な冷却を可能にします。
・濡らさずに冷却したい製品がある企業
・蒸発潜熱を利用した冷却技術を応用したい企業
ハイブリッド自動車のバッテリー冷却はもちろんのこと、電子機器の冷却など濡れることを好まない技術への応用が可能です。
本研究にご興味があればお気軽にお問合せください。
蒸発潜熱:液体を気体に変化させるために必要な熱のこと
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