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リアルタイムで液体中のナノ粒子や細胞の観察が可能な 透過型電子顕微鏡(TEM)用顕微鏡セル

資料

リアルタイムで液体中のナノ粒子や細胞の観察が可能な 透過型電子顕微鏡(TEM)用顕微鏡セル

組織名 電気通信大学 情報理工学研究科 基盤理工学専攻  Sandhu Adarsh教授
技術分野 ものづくり
概要

液体中物質のナノレベルでの観察をリアルタイムで行うため、高さが数百ナノメートルの流路を形成し、そこに透過型電子顕微鏡(TEM)観察用の窓を形成して電子線を透過できるような仕組みを考え、液中試料が観察可能な顕微鏡観察セルを開発しました。液体中のナノレベルの観察をしたい企業、顕微鏡等の付属部品として開発できる企業を歓迎いたします。

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【簡略図】

透過型電子顕微鏡(TEM)で液体中のナノ粒子や細胞を観察

【背景】
 液体中での細胞の活動やナノ粒子の化学的生成過程など、液体内のナノレベルでの観察は様々な分野で求められています。ナノレベルでの物質の観察には、透過型電子顕微鏡(TEM)が最も有力な手段として挙げられますが、TEMでの観察には超高真空状態が必要であり、観察する試料は乾いていることが大前提です。ウェット試料を観察するためには、脱水、凍結処理、樹脂包埋等の前処理が必要であり、リアルタイムでの液中での反応や活動の観察は不可能とされてきました。

【技術内容】
 開発した顕微鏡観察セルは、MEMS(微小電気機械システム)技術を応用し、高さが数百ナノメートルの流路をセル内に形成し、液体循環型の構造にすることで、観察中に液体の導入ができます。また、電子ビームが透過する窓を設置し、透過型電子兼備考(TEM)での観察を実現しました。観察窓毎に液層の厚みを調整することで、試料サイズの異なる混合試料の状態が観察可能となりました。

  1. 観察中に液体の導入が可能です。例えば、液体を導入した際の触媒などの反応をリアルタイムで観察することができます。
  2. 観察窓毎に液層の厚みを調整することにより、試料サイズの異なる混合試料の観察が可能です。
  3. 本顕微鏡セルは、透過型電子顕微鏡(TEM)だけでなく、走査型電子顕微鏡(SEM)やラマン分光器などでの観察にも応用が可能です。
    この顕微鏡セルを用いて、同じ試料を複数の分析装置で観察することができます。

【観察例】

【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
液中試料や細胞の観察がリアルタイムで可能
 従来手法では真空装置内で観察できるのは乾燥した試料のみで、液中や細胞などを本来の状態で観察することが困難でした。
 本手法では、液中の試料や細胞をそのまま観察できます。また、液体を循環させた状態で試料を観察することができます。

高価な専用ホルダーを用意する必要がない
 本顕微鏡セルは、高価な専用ホルダーを用意する必要がなく、既存の試料ホルダーを少し改良するだけで使用することができます。そのため、導入費用が大変安価に抑えられます。

透過型電子顕微鏡(TEM)だけでない分析装置にも使える
 本顕微鏡セルは、透過型電子顕微鏡(TEM)だけでなく、ラマン分光器や走査型電子顕微鏡(SEM)にもそのまま使用できます。そのため、同一の試料を複数の分析装置で観察することができ、効率よく分析が行えます。

試料のサイズに合わせてカスタマイズ可能
 観察したい試料に合わせて本顕微鏡セルをカスタマイズすることができます。観察したい試料に合わせて本顕微鏡セルをカスタマイズすることができます。

【連携企業のイメージ】
・透過型電子顕微鏡(TEM)等の分析機器メーカー
・MEMS(微小電気機械システム)や半導体加工技術を有する企業
・機器分析、受託試験を行う企業
・大学/研究機関

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
・液中の触媒、分散溶液、ジェルなどの観察、分析を行う。
・生体、細胞の観察、分析をリアルタイムで行う。
・透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したサンプルを、その他の分析装置を用いて、異なる分析データを取得する。

【技術・ノウハウの活用の流れ】
まずはお問い合わせください。
大学で実施した観察結果などのご紹介が可能です。
試作顕微鏡セルは、お貸出しも可能です。

【専門用語の解説】
・透過型電子顕微鏡(TEM)
 電子顕微鏡の一種であり、高電圧で加速された電子線を試料に照射して、試料を透過した電子の干渉像を拡大して観察するものです。サブナノメートルの解像度が得られます。

・MEMS(微小電気機械システム)
 半導体集積回路の製作技術などを利用した微細加工技術によって、集積化したデバイスです。シリコンウェハーなどの上に、電子回路やセンサ、機械的に動くアクチュエーターなどを作りこんだ部品などがあります。

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