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開放特許

リアルタイム性と省メモリ性を両立した高精度異常信号データの検出法と心電図計測への応用

資料

リアルタイム性と省メモリ性を両立した高精度異常信号データの検出法と心電図計測への応用

組織名 電気通信大学大学院情報システム学研究科 情報ネットワークシステム学専攻 森田啓義 教授
技術分野 IT , 医工連携/ライフサイエンス
概要

心電図データの不整脈検出を高い精度で得る場合、従来はリアルタイム性あるいは省メモリ性のどちらかを犠牲にしなくてはなりませんでした。しかし本技術はリアルタイム動作可能な反辞書確率モデルを用い、定常データに突発的に出現する異常信号を自動検出することによって、いずれの特性も保持しつつ、従来のものと同等の高精度なシステムを実現しました。携帯型心電図測定器への組み込みを目指しています。本技術の活用・実用化に意欲的な企業を歓迎します。

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[簡略図]

[背景] 
 心電図データの自動解析は、患者の状態を把握するための重要なデータです。特に、不整脈検出は一過性ではないため、長時間データを取得する必要があります。  
 よって、患者の負担を削減するために携帯型心電図測定器を用いるニーズがありますが、膨大なデータを扱うにはデータ圧縮が必要です。しかし、従来の2次算出符号などによるデータ圧縮からの不整脈検出は、そのモデルに対してのしきい値の自動設定が難しく、リアルタイムな圧縮率変化からの不整脈検出は困難でした。

 
 そこで、不整脈の検出に有効な反辞書符号化法を用い、学習系列とする正常脈に適した確率モデルを構築し、圧縮された学習系列の圧縮率がしきい値を超えたときに異常信号をリアルタイムで検出するシステムを開発しました。

[技術内容]


1)学習系列の自動設定 
 正常脈を学習系列とし、正常脈の圧縮に適した反辞書確率モデルを構築します。学習系列の範囲は導出式[OM04]から算出します。次に、M本の学習系列のそれぞれから生成された符号器を用いて、対応する学習系列を圧縮します。


2)しきい値と検出率
 各学習系列自身の圧縮率の最大値を超える最小値をしきい値とします(しきい値の未検出や誤検出を防ぐため)。

 
 M組の学習系列・しきい値により、テストデータに対する検出を行い、検出結果(感度と特異度の和)が最も大きい組を検出用の学習系列・しきい値の組として設定します。

[技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)]
1)高い検出率
 実験結果より、提案手法は他の方法と同等の性能をもち、なおかつノイズなどを取り除く手法と組み合わせれば、周波数解析を行うKAKN06と同等以上の性能を達成していることがわかります。

感度=検出不整脈数/(検出不整脈数+未検出不整脈数)×100(%)(未検出尺度)
特異度=検出正常脈数/(検出正常脈数+誤検出正常脈数)×100(%)(誤検出尺度)

2)省メモリ性
 検出器は平均11キロバイトと省メモリであり符号化を含めても符号器は数メガバイトで実行可能です。

3)リアルタイム性
 検出処理時間(Pentimu4 3.2Ghz)は一拍あたり0.8ミリ秒(正常脈1拍は0.7~1秒)なので十分にリアルタイム処理も可能となっています。

 なお、商用電源に対しても同様に実験を行った結果、異常電源波形(=電源スウェル)の検出率は感度・特異度ともに100%を達し、なおかつ計算上180kHzまで対応可能であることがわかっています。


[連携企業のイメージ]
 本技術の活用・実用化を希望する企業を歓迎します。電流値、電圧値の異常も検知可能ですので、例えば、以下に該当する企業へご提案可能です。
1)生体計測器の研究開発を行っている企業
2)工場の自動機器管理をされている製造業
3)自動機器管理システムの研究開発を行っている企業
4)防犯システムの開発を行っている企業

[技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)]
1)不整脈・異常電源波形(スウェル)の監視・リアルタイム検出
機器から送られてくるデータを基に、不整脈や商用電源に対する局所的な異常・スゥエルの検知が可能です。

2)機器の予防保全
 工場内における自動機器の故障・不具合による異常振動や異常信号を検出が可能です。また、電圧異常などをリアルタイムに検知するので、防犯システムに搭載し、侵入者対策や施設内の異常の検知へ用いることも可能です。

3)脳波なども含めた生体信号の異常検出
 生体機器の無線センサから送られてくる生体信号の異常波形の検出が可能です。

[技術・ノウハウの活用の流れ]
 試作品は既に開発済みです。お問い合わせ後、詳細にご説明させていただきます。

[専門用語の解説]
【符号化】
 情報を一定の規則に従ってデータに置き換えて記録すること。また、ある形式のデータを一定の規則に基づいて別の形式のデータに変換すること。データ圧縮や暗号化などもこれに含まれます。

【特異度】
 医療検査において特異度が高いほど「陰性のものを正しく陰性と判定する可能性が高い」、あるいは「陰性のものを間違って陽性と判定する可能性が低い」を意味します。

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