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下肢の機能回復を促進できるリハビリ用全方向移動型起立・歩行支援システム

資料

下肢の機能回復を促進できるリハビリ用全方向移動型起立・歩行支援システム

組織名 国立大学法人 電気通信大学 情報理工学研究科 横井 浩史 教授、姜 銀来 特任准教授
技術分野 IT , ものづくり , 医工連携/ライフサイエンス
概要

高齢化社会の進展に伴い加齢や事故などによる歩行障がい者が増え、一方、理学療法士の絶対人数不足問題が深刻化しています。特に下肢に麻痺がある障がい者に対するリハビリ技術の確立は非常に重要です。そこで、全方向移動型の起立・歩行支援機を開発し、更に機能的電気刺激(FES)を組合せることで、介護者の身体的負担が低いまま、残存筋機能の維持および改善を促進するリハビリ手法を研究しています。本研究の事業化・普及に意欲がある企業を歓迎いたします。

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【簡略図】

20141103191346.png【背景】
歩行運動は健康を支え自立生活の基本であり、社会の高齢・少子化につれて,加齢や事故などによる歩行障がい者が増え、一方、理学療法士の絶対人数不足問題が非常に深刻になっています。したがって、歩行機能のリハビリロボットや歩行支援ロボットの開発が求められています。
 歩行運動は、立位前方方向運動だけではなく、左右方向運動、斜め方向運動、旋回、回転等から複雑な動作群です。全方向移動型歩行機を用いた歩行リハビリは、歩行機能の早期回復に貢献でき、歩行リハビリへの有用性が臨床試験で認められています。
 また、昨今のリハビリ支援技術として、機能的電気刺激(FES)が注目されています。生体の失われた機能、衰えている機能を再建するために、微弱な電気刺激を外部から生体内に流し、筋繊維を刺激し、筋機能の維持・改善を促進する技術です。
 本研究では、全方向移動型の起立・歩行支援機を開発し、更に機能的電気刺激(FES)を組合せることで、介護者の身体的負担が低いまま、残存筋機能の維持および改善を促進するリハビリ手法を研究しています。

本研究の実用化・普及に意欲がある企業を歓迎いたします。

【技術内容】
本システムの外観図は以下の通りです。
・メカナムホイールにより、全方向移動が可能です。
・アームレスト、操作ボックス、コントローラによって移動が可能です。アームレスト内に荷重センサーを装着しており、操作者が行きたい方向に向けて腕で荷重をかけると、その方向に移動できます。また、コントローラによって遠隔からでも本装置を移動させることが可能です。
・高さ調整スイッチ、角度調整可能なアームが付いているので、操作者の体格・姿勢に応じて無理なく使用することが可能です。
20141103191542.png更に、本研究で最も特徴的なことは、機能的電気刺激と組合せることで、立上がり・歩行を支援することです。下肢内にある筋繊維に対し、適切な電気刺激を与えることで、筋肉の収縮を外部から促し、立ち上がりや歩行を補助します。
20141103191602.png下記が利用図です。
20141103191630.png障がい者の意図・姿勢・荷重・疲労の情報を統合処理し、機能的電気刺激と歩行支援機を適切に制御しています。
20141103191706.png【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
1)歩行支援機とFESを組合せることで、下肢が弱っている方でも効果的なリハビリを行うことが可能です。
2)全方向移動など、優れた機能と操作性を持つ歩行支援機です。

一般的に、歩行支援機は、身体への影響が低く、ロボット技術を用いることで安全で便利に利用することができるメリットがある反面、負荷が少ないことから残存筋機能の低下の恐れがあり、より高い自立・運動能力が必要となるデメリットがあります。

一方、機能的電気刺激は、残存筋を利用するとともに、脳神経のリハビリにも大きな効果が見込めるメリットがある反面、筋疲労と身体への影響が懸念され、長時間の使用には不向きなデメリットがあります。

 本技術では、歩行支援機と機能的電気刺激を組合せることで、ロボットの補助力と電気刺激に誘発される要支援者の力とが合わさって実現され、身体的負担が低い上、残存筋機能の維持および改善が期待できます。

 脚が弱り自力では立ち上がることが出来ない方も、下肢内に残存筋が残っていれば、電気刺激を行うことで立ち上がることができます。そのリハビリ訓練を繰り返すことで、筋繊維と脳神経の機能を向上させ、本システム無しでも立ち上がることができるようになる可能性があります。

【連携企業のイメージ】
介護・リハビリ用機器メーカ等、本装置の事業化・普及に意欲がある企業を歓迎いたします。

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
福祉介護施設や病院、家庭等において、下肢が弱った方の歩行・立ち上がりの支援、及びリハビリ用途に活用可能です。

【技術・ノウハウの活用の流れ】
本技術の活用にご興味があればお気軽にお問合せください。装置デモなど詳しいご紹介をさせていただきます。

【専門用語の解説】
(機能的電気刺激(FES))
先端医用工学の発展により,従来困難であったさまざまな生体機能の補完や再建が可能になっています。
機能的電気刺激(Functional Electrical Stimulation ; FES)は、脳卒中や脊髄損傷などにより損なわれた運動機能に対し、電気刺激を用いて各々の麻痺筋を収縮させ、合目的動作を再建する先端医療です。
例えば、心臓ペースメーカーに用いられる電気刺激は、心臓を拍動させ、体循環を維持するという機能を補うものであるため、FESの一種です。近年では、侵襲性の低い表面電極を用いた、FESリハビリテーション機器が多く開発されており、その治療効果が注目を集めています。
一般的なリハビリ機器は、適応する障害が限定されますが、「FES」は脳卒中や脊髄損傷で手足がまひした大多数の人が利用でき、レンタルによる在宅リハビリにも活用されています。また、発症から年月が経過し、回復が困難とされている「慢性期」の人にも、運動の改善が見られた例があります。

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