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企業の技術・ノウハウ

農業や製造の現場での上向き作業を補助するモータやバッテリなしの上腕アシスト装置「TasKi」

資料

農業や製造の現場での上向き作業を補助するモータやバッテリなしの上腕アシスト装置「TasKi」

組織名 株式会社ソラリス(中央大学発ベンチャー)
技術分野 その他 , ものづくり
概要

棚栽培,果樹収穫、ラインの部品組付けなどの現場では、腕をあげたままの作業が多く発生します。株式会社ソラリスでは、その際に必要な最低限の上肢補助力を発揮する「バッテリのいらない腕アシスト装置TasKi」を開発しました。TasKiは、機械式自重補償機構を採用することで、上腕を長時間挙げる,上げ下げする作業のアシストをモータやバッテリなしで実現しています。シンプル・堅牢な構造で2.2kg と軽量です。本製品にご興味をお持ちの企業を歓迎いたします。

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簡略図

【背景】
 果樹園での収穫作業や、ものづくりの現場での上向きの組み立て作業、建築現場では天井工事など、様々な分野において腕を上げたままの作業が長時間行われています。また、これらの現場の作業者は、高齢の場合も多く、アシスト装置へのニーズは高まっています。しかし、装置が高額のため作業員全員が利用できない、装着や使い方が難しい、また電源やモータを使ったパワーアシスト装置は大型で重いなどの理由で、実際には導入が進んでいません。現場では、より装着しやすく軽量なアシスト装置の導入が求められてきました。

【技術内容】
◆TasKi 上向き作業アシストの原理
 株式会社ソラリスは、独自の軽量コンパクトな機械的自重補償によるアシスト機構を開発しました。このばねを用いた機械式の自重補償により、腕自重トルクを機構的にゼロに近似させます。この機構により、電源やモータ等の外部からのエネルギ供給なしに、腕の重さを仮想的に軽減することができます。

機械式自重補償
ばねを用いた機械式の自重補償

◆軽量機構を実現
 自重補償機構としては、腕自重と同等の重りを備えたカウンタウエイト機構が知られていますが、これでは装置全体の重量が大きくなってしまい、ウエアラブル機器や移動を伴う装置には適しません。そのため、TasKiは、弾性要素(圧縮ばね)と揺動スライダを用いることで、軽量な自重補償機能を実現しました。
 目的の作業を変更せず、作業中の腕の高さ変化にも対応しつつ、腕の自重を相殺して、作業負担を軽減します。

【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
◆腕の高さを自由に変更できる

機械的自重補償は、腕をの高さにしても、腕の重さを仮想的に軽減でき、これにより、どの腕の姿勢でも腕がアシストされます。

◆作業の邪魔になりにくい,広い可動範囲
 TasKiは広い可動範囲を実現しており、作業の邪魔になりにくい構造です。実際の様々な現場での上向き作業は、作業位置がすべて均一ではなく、上腕を上下に常に動かす必要がありますが、従来の他社製品は、上腕を固定したり、電子制御によって段階的に固定するものなどでした。それに対して、TasKiは人間の肩と腕の動きに追従して、普段の作業の動作を制限しません。

◆簡単な装着方法

このようなアシスト装置を日常の作業に使いこなしていただくためには、毎回の装着・脱着の手間がないということが重要です。TasKiは最初に体に合うよう調整すれば、その後の毎回の装着は、服を着るのと同じように簡単に行えます。

【連携企業のイメージ】
例えば下記の企業と連携可能です。
ウエアラブル機器、パワーアシスト装置の導入を検討している企業
1)農園運営を営む農業法人、果樹加工品業者
2)ガス、化学、食品など各種製造工場や鉄道、電力などの企業
3)建設現場における作業員への導入が想定される企業
4)倉庫内における集荷、ピッキング作業がある物流関連の企業
5)劇場や展示会における設営作業や撮影機材の保持作業がある企業
6)美容室/理容室

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
 ぶどう、リンゴ、桃といった果樹農家では、受粉、花摘み、消毒、袋かけ、収穫など、年間を通じて、腕をあげた姿勢で長時間作業を行わなければいけないシーンが多くあり、このような作業にTasKiは最適です。小規模の農家でも通年利用できる安価な装置です。
 また、建築現場での天井の施工作業は、上向きの姿勢で位置決めやビス止めを行う動作を長時間続けなければならず、作業員にとって、負担の大きい作業のひとつです。この他、製造現場でのライン工程でも、上向きの姿勢での作業は負担が大きいと言われています。
 これらの作業現場へのTasKiの導入は、作業負担の大幅な低減につながり、昨  今、問題となっている作業員の高齢化の対策や、働き方改革の一環としても効果があります。

【技術・ノウハウの活用の流れ】
本技術の活用や製品開発に興味がある方はお気軽にお問合せください。

【専門用語の解説】
・機械式自重補償
 従来からあるカウンタウェイト重力補償機構は、ロボットアームなどにおいて、自重を相殺するような重りをあらかじめアームの反対側に備えることで機構的に重力補償をして、トルクを抑える機構です.本技術では重りではなく、弾性要素である圧縮ばねと揺動スライダを用いた自重補償機構となっており、アームの姿勢に関係なく自重を相殺しつつも、軽量でコンパクトな構造を実現しています。

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