【簡略図】

1.  来店不要のフルオーダーメイド靴「Shoe-Craft-Terminal」
   
2. ファッションの感性判定器「Nadera」（2020/11公開）

この他に、機械学習を用いた商品パッケージのデザイン最適化、料理レシピの最適化等、人の感性に関わる機械学習の受託実績があります。

【背景】

ファッション業界の中で、靴業界はIT化がもっとも遅れている分野の１つです。この背景には、単に職人気質が強いという精神的な要因だけでなく、「設計」から「履き心地」のデータを得るまでに多くの金銭的・時間的コストがかかるという制約があります。すなわち、仮説検証サイクルの速度が極端に遅いために、靴は未だにIT化が進まず、ひいてはサイエンス（科学）の土俵に上がっていません。

そこで弊社では、主に東京工業大学の博士と修士からなる開発体制で、ファッション業界のIT化とサイエンス化に取り組んでいます。弊社は「東工大発ベンチャー」に認定され、靴の取り組みは2019年度LIP.横浜トライアル助成金にも採択されています。また世界で初めてとなる、遠隔で注文できるフルオーダーメイド靴サービス「Shoe-Craft-Terminal」を開始しました。

【技術内容】

機械学習、最適化、3Dモデルの技術はすべて自社開発です。
足の写真・動画　→　3Dモデル化・遠隔測定（前例なし）

測定値　→　木型データの自動作成（通常12時間→5分）

木型データ　→　強度計算および3Dプリント

また木型を介さずに透明な靴を直接3Dプリントする技術を開発しました。これまで仮説検証サイクルの中でもっともコストがかかっていた「木型の作製」と「靴の作製」を省略し、低コストで履き心地を再現・可視化できるようになりました。

この他に、機械学習を用いた料理レシピ開発、姿勢・運動解析、物体検出、オーダーメイド装具作製等の実績があります。

 

【技術・ノウハウの強み（新規性、優位性、有用性）】

価格に注目すると、一般的なフルオーダーメイド靴は13万円からです。近年、足の3Dスキャンや木型の3Dプリントを行うオーダー靴サービスが出現し、8万円まで価格を下げながらも完全遠隔化ができていませんでした。弊社はこれまで不可能だった足の遠隔3D測定を実現し、その後の製作工程も大幅に自動化することで、価格をさらに半額程度まで下げることを実現しました。特許として、身体の遠隔3D測定（特願2019-151219）、3Dプリント靴（特願2020-100644）を出願済みです。
靴以外でも、様々な分野で技術を応用可能です。顧客のニーズに合わせて、古典的な最適化手法から最新の深層学習手法まで幅広く取り揃え、実装可能です。

【連携企業のイメージ】
靴以外にも以下のように、様々な応用の連携が可能です。
■ファッション関連企業

・靴（木型）メーカー：工程の自動化
・義足（装具）メーカー：遠隔測定、自動設計、3Dプリント
・百貨店：遠隔測定、商品レコメンド
・ファッションブランド：機械学習による流行解析、デザイン生成
・繊維メーカー：CG表現

■その他企業
・食品メーカー：機械学習による新商品開発
・化粧品メーカー：機械学習による新商品開発

【技術・ノウハウの活用シーン（イメージ）】
・遠隔地にいる人の身体を測定したい（または物や地形の3D化）
・3Dモデルの設計を自動化したい
・柔らかい装具を3Dプリントしたい
・顧客に合う商品をレコメンドしたい
・機械学習で学生服のトレンドを解析したい
・機械学習で新しいデザインを生成したい
・洋服をCG化したい

【専門用語の解説】

木型：靴を作るための型。木型に皮を張って靴が作られる。近代ではプラスチック製。