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企業の技術・ノウハウ

パッチ式簡易型脳波計と脳波のAI解析によるニューロリサーチ、医療・ヘルスケア用途への応用

資料

パッチ式簡易型脳波計と脳波のAI解析によるニューロリサーチ、医療・ヘルスケア用途への応用

組織名 PGV株式会社
技術分野 IT , 医工連携/ライフサイエンス
概要

当社は、パッチ式簡易型脳波計及び計測した計測した脳波データに係る研究開発に取り組んできました。本研究開発の成果として、標準医療用脳波計と同精度のレベルで脳波計測を可能とするパッチ式簡易型脳波計を実用化し、そして、脳波AI解析モデルを用いた脳波データの受託解析サービスを提供しております。現在、脳活動研究を行う研究機関に対し研究活動を支援し、脳波のビジネス応用に関心を持つ先進的な企業に対する、睡眠解析サービスやニューロリサーチ解析サービス等を展開しています。

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【簡略図】

【背景】
PGV株式会社は、2016年9月に、大阪大学 産業科学研究所 関谷毅教授(専門分野:超薄・柔軟な有機エレクトロニクス技術)の研究開発成果を実用化する目的で、大阪大学発のベンチャー企業として設立されました。
「一家に一台脳波計で、脳の健康管理を」を長期ビジョンとして、創業以来、パッチ式簡易型脳波計の実用化、並びに計測した計測した脳波データの活用に取り組んできました。

【技術内容】
脳波は、脳神経の活動により生み出され、その信号強度は1~50マイクロボルトと生体活動電位の中で最小です。こうした脳波を正確に計測するために、PGVは、標準医療機器と同様に高精度で、装着性に優れた小型軽量(27g)のパッチ式簡易型脳波計を既に実用化しています。

パッチ式簡易型脳波計における技術革新は以下の2点です。
伸縮性の高い電極シート:
厚みが 60マイクロメートルと薄く柔らかいため、肌に密着し、装着感なくリラックスした状態での脳波測定を可能としている。
微小な信号を検出できるセンサ技術:
高感度、かつ電圧・時間分解能に優れ、0.002秒単位で測定可能。

(脳波計測の比較)
青線:医療用標準脳波計  赤線:PGVパッチ式簡易型脳波計

また、脳波に係る機械学習・AI技術を独自に構築しています。脳波データをAIに学習させ、睡眠、感情、疾患を推定する有用性の高い「脳波AI解析モデル」の構築を進めています。脳波AI解析モデルのライブラリーを拡充することで、ニューロリサーチ、医療・ヘルスケアなど多くの分野で貢献したいと考えています。

(PGVパッチ式簡易型脳波計を用いて計測された脳波イメージ)

【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】

医療機器としての認証基準をクリアした頭皮脳波用電極としては世界で初めて、伸縮性と高い皮膚密着性を有する電極シートを開発

既存技術・製品では、皮膚の凹凸にフィットするほどの柔軟性伸縮性を有する電極が開発されておらず、皮膚密着性に課題がありました。

30gを切る軽さと小型化を実現しつつ、24bit(22nV/LSB)、低ノイズ(1uVpp以下)を実現
既存製品は、大型(ヘッドセット型や拘束具等)で被験者に大きな負荷があり、さらに電極~装置の距離が長く、ノイズに課題でした。

脳波の判読においてAI解析モデルを用いた解析を行うことで、睡眠分析や認知症診断を自動かつ低コストで実現

既存技術では、技師が目視にて判読を行う必要があり、コスト及び属人性の高さが課題でした。PGVは、脳波を有用性の高い生体情報として活用するために、脳波データ処理に関するノウハウを有しています。

(PGVパッチ式簡易型脳波計の特徴)

【連携企業のイメージ】
1)脳活動研究を行う研究機関(大学、研究所、医療機関)
2)脳波のビジネス応用に関心を持つ先進的な企業(主に、衣食住に係る消費財企業)

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
脳波の活用分野は、
①感性や感情の定量化(ニューロリサーチ)
②脳疾患・精神疾患を対象とした計測、
と言った分野で使用範囲が広がっています。

~ニューロリサーチでの活用拡大~
人間の行動の95%は無意識が決めていると言われていますが、私たちが感知できるのは顕在意識のみです。そのため、インタビューやアンケート等の従来行われてきた官能評価だけでは、消費行動に至る潜在意識にはアプローチできないことが課題です。そのような潜在意識のブラックボックスを読み解くために、脳波を軸とした生体情報を用いてユーザーの「本音」の理解に迫ることに取り組んでいます。
現在、企業のR&D部門や新規事業開発部門との研究開発、製品・サービス評価からマーケティングに至るまで、多くのお客様との取り組みを進めています。

<活用例>
・飲料Aと飲料Bの摂取時の違いを脳波で判定する
・特定の製品使用によるリラックス効果を脳波で検証する
・特定の食品の摂取による抗ストレス効果を脳波で検証する

~医療・ヘルスケア分野での活用可能性~
・認知症、てんかん、発達障害、等の脳疾患
・せん妄、鬱、統合失調症、等の精神疾患
・睡眠障害、更年期障害、糖尿病、介護、教育効果、等の睡眠関連疾患

<睡眠状態の解析用途>
睡眠状態を知る一般的な手法として、PSG(ポリソムノグラフィ)が知られています。PSGは、脳波・心拍・呼吸・筋電などの情報を一晩連続で計測し、取得されたデータを睡眠技師が目視によって睡眠ステージ(ヒプノグラフ)に変換します。この中でも、脳波は、各種睡眠ステージの遷移を正確に表現出来ることから、脳波計を用いた睡眠ステージ診断技術が広がりっています。
現状では、睡眠ステージ診断は、PSGのような大規模な装置を保有し、睡眠技師のような専門職が雇用可能な病院に限定されています。また、PSGの使用に当たっては、被験者へ大きな身体的な負荷がかります。そこで、PGVパッチ式簡易型脳波計と睡眠脳波解析プログラムを用いることで、ヒプノグラフを簡便に図示することができ、利用者が大きく広がる可能性があります。

(PGVパッチ式簡易型脳波計/睡眠脳波解析プログラムを利用したと睡眠ステージ(ヒプノグラフ)の表示例)

【技術・ノウハウの活用の流れ】
本技術の活用にご興味があればお気軽にお問合せください。

【専門用語の解説】
①脳波
ヒト・動物の脳から生じる電気活動を、頭皮などに置いた電極で記録したもの。

②ノイズ
処理対象となる情報以外の不要な情報のことであり、脳波においては、電源周波数ノイズ(50Hz/60Hzのハムノイズ)や、体動ノイズ、瞬きなどの生体活動に伴う電気的ノイズを意味する。

③機械学習
得られたデータを元に、対象となる事象の本質や仕組みを簡潔に表現し、今後のデータの振る舞いを予測する、数式及び理論のこと。

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