トップページ > 企業の技術・ノウハウ > SLID(認識チップ)を用いた音声認識の高速化、高精度化、省電力化
資料 | |
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組織名 | 株式会社エイ・オー・テクノロジーズ |
技術分野 | IT , ものづくり |
概要 |
SLID(認識チップ)を基にしたベンチャー企業です。SLIDはパターンマッチ機能を持ったメモリデバイスであり、アクセス時間・検索時間を要さずにメモリ内の目的とするデータを直接認識することが可能です。情報処理の大幅な高速化・省電力化に役立つ技術であり、用途実験ではCPUと比較し1万倍以上の高速な認識が可能であることを証明しました。音声認識への応用により認識精度向上、高速化、省電力化を実現します。本技術の活用を希望する企業を歓迎します。 |
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【簡略図】
【背景】
情報社会の進展に伴い、大容量データを取り扱う事例が増えています。それに対し、データ処理を行うCPUの性能は向上しているものの、データ量の増大に追いついていないのが現状です。その対策として、CPUを複数用いた並列処理技術や、スーパーコンピュータ技術が進展しています。
一方、音声認識技術は、技術の進展に伴って様々な用途で利用されていますが、認識処理の高速化、高精度化のニーズは依然として高いです。
本テーマでは、CPUが情報処理工程上で必ず必要となるアクセス時間および逐次検索処理(サーチ)を無くす、新しい情報検出デバイス:SLID(サーチレス情報検出デバイス)を提案いたします。SLIDを音声認識分野へ応用することにより、音声認識処理の高速化、高精度化を実現します。
なお、本テーマは「国立大学法人 電気通信大学 電子工学科 範 公可 准教授」「国立大学法人 電気通信大学 曽和 将容 名誉教授」との産学連携の成果です。IEEEが主催するICCE2012において、最優秀論文賞を受賞いたしました。
(関連ページ)
「SLID(認識チップ)に関する論文がICCE2012で最優秀論文賞を受賞 電気通信大学 範研究室
【技術内容】
コンピュータに保存されている情報データから、目的のデータをCPUが探し出すとき、通常は、CPUがメモリデバイスのアドレスを1アドレス毎にアクセスし検索処理(サーチ)する必要があり、データ量に比例して、アクセス回数が多くなり、サーチ時間が多くなります。
これに対し、目的のデータを指定すると、そのデータのアドレスを直接検出するCAM(連想メモリ)が開発されました。通常のCPUの検索処理と比較して大幅に高速化が可能ですが、複数のデータの塊であるパターンなど複雑な情報のアドレスを検出することはできません。
認識チップSLIDは、パターンなどの複雑な情報のアドレスを、検索無し(サーチレス)に、直接見つけることを目的としたデバイスです。そのため、通常のメモリと比較し、大幅な高速化が可能です。目的とする複雑な情報を、複数のデータの配列と捉え、1)各データの情報、2)データ間のアドレス上の位置関係、を入力情報とします。認識チップSLIDは、この入力情報(パターン)に当てはまるアドレスを直接検出する(マッチング)することが可能です。
上図はSLIDが行う情報処理工程のイメージ概念図です。
アドレス中から、「青のデータ、および、青の右下に緑のデータ」がある配列を検出することを目的としたとき、
1)CPUはデータ量に比例して、アクセス回数が多くなり、サーチ時間が多くなります。
2)CAMは、「青のデータ」を一瞬で検出可能です。ただし、緑のデータを一瞬で検出することはできません。
(本図はイメージ図ですが、実際は非常に複雑なデータのため)
3)SLIDは「青のデータ」を一瞬で検出可能です。
このとき、全アドレス中から、「青の右下に緑があるデータ」「青の右下に赤があるデータ」の2種類へ候補が絞られ、
青の右下のアドレスを指定して参照(パターンマッチ)することにより、特定することができます。
データ量が多いほど、情報構造が複雑なほど、SLIDは効果を発揮します。
用途実験では、CPU単体と比較して1万倍の高速化を実現しています。
なお、音声認識処理には、雑音信号の除去処理および参照辞書とのパターンマッチング処理があり、この工程においてSLIDを適用することが可能です。
【技術・ノウハウの強み(イメージ)】
1)音声認識処理の大幅な高速化、高精度化が可能です。
2)音声認識に関する研究手法は、ソフトウェア上の処理に拠る技術が大多数です。
本技術は、ハードウェア面(メモリデバイス)の応用の提案であり、高い新規性/独自性があります。
3)CPUでは高速化を実現するために並列処理を行う場合、大型化、電力量の増加、コスト増に繋がりますが、
SLIDでは単体で相当な高速性があります。(※用途によります)
【連携企業のイメージ】
本技術を応用した音声認識アプリケーションの開発、利用を希望する企業へ
ご提案いたします。例えば、以下の企業へご提案が可能です。
1) 音声認識機器を開発している企業
2) 音声認識機器を利用している企業
3) 音声認識分野への事業進出へ意欲的な企業
※ほか、SLIDに興味がある方は是非お問合せください。
【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
音声認識の用途として、例えば下記へ展開可能です。
音声認識の高精度化、高速化のニーズに対応可能です。
1) カーナビゲーション
2) &n
bsp; 知能ロボット
3) コールセンター
4) 音声ガイド
5) 遠隔コミュニケーション
6) その他、音声認識の用途。
特に、カーナビゲーションにおいては、認識処理を高精度化・高速化することにより、利用者の利用性向上、ストレスレスな車内環境を実現可能です。また、近年の知的ロボットは、教育機能や判断機能など、高度な人工知能を実現していますが、情報処理に相当な計算量を要します。本技術を活用することにより、大幅な知的判断の高速化が見込めます。
【技術・ノウハウの活用の流れ】
SLIDの音声認識への具体的な応用手法に関しては、お問合せください。
ご説明の上、ご提案させていただきます。FPGA段階であれば、直ぐに連携が可能です。
【専門用語の解説】
(CPU)
コンピュータなどにおいて中心的な処理装置として働く電子回路です。プログラムによって様々な数値計算や情報処理、機器制御などを行います。
(メモリ)
CPUなどのプロセッサが直接アクセスすることができる記憶装置です。
CPUがアクセスする場合、アクセス時間と、目的のデータを探すための検索時間が必ず必要です。
(アドレス)
メモリ内の各データの保存場所です。「番地」とも表現されます。
(CAM)
連想メモリと呼ばれます。直接、目的とするデータを検出可能です。ただし、複雑な情報は検出できないため、IPアドレスの検出など、用途は限定的です。
(SLID)
情報の配列の中からパターンなどの複雑な情報を直接見つけ出すことを目的としたデバイス。
半導体1チップで並列処理によるデータ検出と、そのデータの並列アドレスマッチングの双方を実現させた認識チップ、1チップで完全なハードウエアパターンマッチングが可能なので超高速で高精度な認識が可能になる。
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