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ヒートシンク式レーザ溶着による電子デバイス精密接合装置

資料

ヒートシンク式レーザ溶着による電子デバイス精密接合装置

組織名 株式会社清和光学製作所
技術分野 ものづくり
概要 電子部品デバイスや医用機器は、小型スイッチのような微小なものの精密溶接や、フラットパネルディスプレイのような大面積なものの封止接合が必要ですが、現在実用化されている超音波溶接や熱板溶着や封止剤を用いた接合では、製品への熱の影響や封止精度などが問題となっています。今回開発した電子デバイス精密接合装置は、これらの問題を解決し、それぞれの溶着ニーズやサイズに向けて、高速・高信頼性のレーザでの表面冷却内部溶融による溶着を実現しています。 本技術は先端レーザ樹脂溶着技術・推進コンソーシアムの表面無損傷レーザ溶着法 を応用したJST研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)の成果です。
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【簡略図】20200616123141.png

【背景】

情報端末を始めとする各種電子機器は、小型軽量性・高機能性・熱耐性、外部衝撃に対する頑健性が求められており、回路の集積度合いも増しています。それらに搭載される例として、マイクロスイッチや光センサ類がありますが、これらの組立てにおいて、「コンタミレス、溶剤レス、微細化」のレーザ溶着への高いニーズがあります。また、電子機器のほぼ全てが精密部品と言え、粉塵や機械的振動が発生する超音波溶着機よりもレーザ溶着機を求めるニーズは、他分野に抜きんじて高いといわれています。サイズ的には「サブミリ」(1㎜未満)の溶接線幅で接合する要望があります。

マイクロ流路セルは、直径が数μm~数百μm程度の流路に、試薬が配置された反応領域など、各種機能を有する領域を設けることにより、様々な用途に適したデバイスを構成できます。その用途としては、遺伝子解析、臨床診断、薬物スクリーニングなどの化学、生化学、薬学、医学、獣医学の分野における分析、あるいは、化合物の合成、環境計測などが代表的です。これからの医療は、治療に加えて予防が重要となり、家庭での簡易な生理検査や、有害化学物質のその場計測などを、個人レベルで簡単に行えるようにすることが求められています。そのためには、自由度の高い溶接走査技術が求められています。

一方、大面積化の進む有機ELパネルにおいては、デバイスを水分や酸素から保護し劣化を防止するために、高度な封止技術が必要とされています。現在多く用いられるシール剤による封止ではこれらの侵入を防ぎ切れず、より確実な手法が求められています。また有機ELパネルや液晶パネルは、フレキシブル化,薄型化,軽量化への対応が必須となっており、ガラスから樹脂への基本材料の切り替えが進んでいます。よって樹脂フィルム材料同士の信頼性の高い接合技術が必要となると考えられ、更に、生産性の観点から、長い封止縁線をより高速で接合する方法が求められています。

【技術内容】

本開発製品の基本技術は、表面冷却と内部溶融を両立する、赤外線透過放熱体(ヒートシンク)を利用したレーザでの表面冷却内部溶融による溶着です。これは、溶着したい樹脂部材のレーザ照射面に設置したレーザ透過ヒートシンクが、樹脂部材へレーザ光を内部に導きつつ、樹脂部材で発生した余分な熱を熱伝導で放散し、部材表面温度の上昇を防ぎつつ内部溶着を実現するものです。原理上、赤外線吸収性のあるすべての熱可塑性樹脂に対して適用が可能です。本基本技術により、樹脂材本来の赤外線吸収性によりレーザ照射で発熱するため、素材として透明な部材をそのまま溶着でき、なおかつレーザ照射面の熱変形を生じさせないことから、薄い透明シートをはじめ、着色されていても平坦さを保ったまた封止溶着が可能です。

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表面冷却内部溶融技術の原理

今回の開発のポイントは二つあり、①精密電子部品/マイクロ流路向け0.5㎜線幅のレーザ溶着と②フラットパネルの封止接合向け60㎜線長のライン一発溶着をそれぞれ実現したことです。長年培った光学設計技術を駆使し、前述の「表面冷却内部溶融技術」と併用して、この「狭小溶着」および「長尺ビーム」を可能にする溶着機を完成させました。「表面冷却内部溶融技術」を実装して「透明シートの熱損傷無し」の溶着は他にないため、業界唯一の製品を提供できます。

① 精密電子部品/マイクロ流路向け0.5㎜線幅のレーザ溶着

 0.5㎜線幅でのレーザ溶着を実現するために、市販のレーザを集光レンズ用いて小さなスポット径をつくりますが、それだけでは集光することにより、レーザ照射する際エネルギ密度が高くなり、樹脂であればすぐに溶けて焦げて穴が空いてしまいます。本技術では、ヒートシンクの冷却効果を利用し、集光技術と放熱技術の総合技術により、溶着箇所を損傷することなく、0.5㎜線幅のレーザ溶着を実現できます。

  エンジニアリング樹脂において、以下の条件下での溶着が可能です。

・溶着する樹脂の厚さ0.1㎜~1㎜

・0.5㎜線幅のレーザー溶着

・25mm/secの処理スピード(PPS材の場合)

・10mm/secの処理スピード(COP材の場合)

 

電子部品に使用される主なエンジニアリング樹脂   パッケージに使用される主なエンジニアリング樹脂

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② フラットパネルの封止接合向け60㎜線長のライン一発溶着

フラットパネル封止を実現するために、新たな方式を考案しました。矩形方のTmファイバーレーザビームをヒートシンクを通して照射し、ヒートシンクでワークに対して加圧しながら、狙った位置に対して一度に溶着を行うことができます。(下図)

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これによって、以下を実現しています。  

・溶着線幅0.5mm以下

・溶着位置精度0.5mm以内

・且つ気密封止耐圧が0.5MPa以上

 

技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)

<表面冷却内部溶融技術と従来技術の比較>

複数のプラスチック部材要素を一体化させる技術は、接合面付近を溶融して一体化する熱溶着に限っても、熱板・熱風接合や、振動溶着など多く存在します。これらは、概して局所を狙って溶着する技術ではないため、小型・精密な部品に対しては適用に難があるし、過熱による表面熱損傷やガス化の影響がある部材にはとりわけ温度制御が必要ですが、既存の技術はその対応が劣ります。そこでレーザ加熱が期待されているわけですが、高エネルギ密度のレーザ(例えばCO2レーザのような波長の長い赤外線)では、照射面の部材の温度上昇が急激で、瞬間的に溶融→ガス化に至って損傷が激しくなります。一方、現在普及し始めている半導体レーザを用いての樹脂溶着法は、接合する樹脂の一方はレーザを吸収させるために有色にしておかねばならない制約があり、同種の樹脂をそのまま溶着することは不可能です。(図1参照)本開発の技術は、表面冷却と内部溶融を両立する、赤外線透過放熱体(ヒートシンク)を利用したレーザ樹脂溶着技術で、これらの問題を解決しています。

表面冷却内部溶融技術と従来技術の比較

20200616130554.pngのサムネイル画像

 

<精密電子部品/マイクロ流路向け接合技術の従来技術との比較>

従来のレーザによる接合では、レーザ発信器から入ってくるビームスポット径はだいたい2~4mmで、そこから工程上のワークとの距離の許容範囲に収まる焦点距離の集光レンズを選んで目指すスポット径を作る工夫が必要となります。ですので、市販のレーザを買ってきてすぐ狭小レーザ溶着ができるわけではありません。また、それだけ小さなスポットでレーザ照射するとエネルギ密度が高いので、樹脂であればすぐに溶けて焦げて穴が空き、レーザによる精密接合は容易ではありません。本技術ではそこにヒートシンクの冷却効果が発揮されます。このような集光技術と放熱技術の総合技術により、0.5㎜線幅のレーザ溶着を実現できています。

<封止接合の従来技術との比較>

有機ELパネルにおいては、デバイスを水分や酸素から保護し劣化を防止するために、高度な封止技術が必要とされています。現在多く用いられるシール剤による封止ではこれらの侵入を防ぎ切れず、より確実な手法が求められています。今回紹介する表面冷却内部溶融技術は、樹脂フィルム材料同士の信頼性の高い接合技術を可能とするレーザ溶着技術です。密封性が高く、水分、酸素の侵入がなく、耐屈曲性も向上します。

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連携企業のイメージ

本装置を使った加工技術に興味のある企業様との連携を希望します。

・精密な電子部品の接合や、遺伝子解析、臨床診断に使用されるマイクロ流路セルの

接合で改善を検討している部門

・フラットパネルの封止の量産工程、品質管理の改善を模索される生産技術部門

 

技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)

〇溶着線幅が1mm未満となる封止箇所のある部品(スイッチ、センサ、コネクタ類)

〇透明シートの重ね合わせで、自由な経路の微細流路を形成

〇スマートフォン向けのパネル封止工程の高速化

 

技術・ノウハウの活用の流れ

本技術の活用にご興味があればお気軽にお問合せください。

 

専門用語の解説

【赤外線透過放熱体(ヒートシンク)】

樹脂へのレーザ照射の際に、剥き出しの状態では空気への熱移動が非常に少ないため瞬時に樹脂表面の温度上昇が起こり、溶融を通り越して気化発泡となってしまう現象に対し、樹脂表面に照射するレーザに透過性のある固体によって、樹脂表面の熱を熱伝導で奪い温度上昇を防ぐ役割を担う放熱板。ガラス質もしくは金属質の赤外線透過材料です。

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