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企業の技術・ノウハウ

モータやバッテリ不要の上向き作業アシスト装置TasKi

資料
組織名 株式会社ソラリス(中央大学発ベンチャー)
技術分野 その他 , ものづくり
概要

 果実等の収穫時などでは、腕を上げた姿勢を維持する作業が多く発生します。法政大学 山田准教授は、その際に必要な最低限の上肢補助力を発揮する「上向き作業補助装置TasKi」を開発しました。TasKiは軽量(~2㎏)かつリーズナブルで、作業時につけていた襷(たすき)のように、日々気軽に利用できる道具として開発しました。TasKiは、ばねの力を利用する機械的自重補償装置を用いて、肩と腕の動きに追従して、普段の農作業の動きを制限しない補助が行えます。また、モータやバッテリのない機械による軽量・シンプル・堅牢な構造は、農業に限定せず、上肢を用いた作業全般に広く応用が期待できます。本技術の活用・連携に意欲がある企業を歓迎いたします。

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【簡略図】

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【背景】

 日本の農業は、高価なロボットを導入して行う大規模農家による大量生産ではなく、高齢者を中心とした小規模農家がほとんどです。そのため日本の農業分野におけるロボットなどの装置導入は、高価で大型な機械ではなく、小型でリーズナブルな装置も必要と考えます。特に棚上栽培を行うような高級・ブランドフルーツを栽培する高付加価値農業は、日本の農産物が外国産農作物との差別化ができるものとして注目されていますが、これらの作物は、地面から1.5 m程度の棚に吊るすように栽培されており、これに対して行う様々な作業、例えば収穫作業は、腕を上げたままの姿勢維持が多く、農作業者には大きな負担となっており、補助装置の導入が求められてきました。

【技術内容】

(機械式自重補償機構)

本装置では、腕自重を補助するため、回転対偶に生じる自重トルクを機構的にゼロに近似させるためのばねを用いた機械式の自重補償を採用しています。この機構はモータ等の外部からのエネルギ供給なしに、作動リンクの見かけ上の重量をゼロにできます。

自重補償機構としては、腕自重と同等の重りを備えたカウンタウエイト機構が知られていますが、これでは装置全体の重量が大きくなってしまい、ウエアラブル機器や移動を伴う装置には適しません。そのため、本装置では、自重補償機構を、図のような弾性要素(圧縮ばね)と揺動スライダを用いた軽量な機構で実現しました。目的の作業を変更せず、作業中の腕の高さ変化にも対応しつつ、腕の自重を相殺して、作業負担を軽減します。

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この機構により、必要な上肢補助力を発揮するとともに上下の位置変化にも対応でき、軽量かつシンプルな装置を実現しました。

(上下の稼働範囲イメージ:補助範囲)

上記の自重補償機構により、腕の上げ下ろし動作にも対応できます。補助範囲は

上向きに35度、下向きには70度程度となっています。

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(肩の動作範囲イメージ:水平リンクの動作範囲)

TasKiは2つの回転関節を備えた水平リンク機構となっており、作業中の肩の水平方向の動作にも対応します。

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【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】

(柔軟な可動域)

実際の上向き作業は、農作物の高さはすべて均一ではなく、例えば収穫を行う切断方向も異なるため、上腕を上下に常に動かす必要がありますが、従来の他社製品は、上腕を固定したり、電子制御によって段階的に固定するものなどでした。それに対して、TasKiは人間の肩と腕の動きに追従して、普段の農作業の動きを制限しません。

(軽量でリーズナブルである)

モータやバッテリを必要としない機械的構造のみでアシストするシンプルな構造であるため、軽量でリーズナブルな装置です。作業時につけていた襷(たすき)のように、日々気軽に利用できる道具として開発しました。

農業に限定せず、上向き作業全般に広く効果が期待できます。 

【連携企業のイメージ】

例えば下記の企業と連携可能です。

1)ウエアラブル機器、パワーアシスト装置などを開発する企業

2)アグリビジネスを展開する企業

3)工場での作業補助装置を開発する企業

4)他、本技術の製品化・活用に意欲のある企業

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】

例えばぶどう農家での花摘み、袋かけや収穫など、一定時間上向きの同じような姿勢が長時間続く作業に最適です。リンゴ農家でも、受粉、花摘み、消毒、袋かけ、収穫など年間を通じて、上向きの姿勢で長時間作業を行わなければいけないシーンが多くあります。小規模の農家でも通年利用できる装置として活動いただけます。

【技術・ノウハウの活用の流れ】

本技術の活用や製品開発に興味がある方はお気軽にお問合せください。

【専門用語の解説】

・自重補償

従来からあるカウンタウェイト重力補償機構は、ロボットアームなどにおいて、自重を相殺するような重りをあらかじめアームの反対側に備えることで機構的に重力補償をして、トルクを抑える機構です.本技術では重りではなく、弾性要素である圧縮ばねと揺動スライダを用いた自重補償機構となっており、アームの姿勢に関係なく自重を相殺しつつも、軽量でコンパクトな構造を実現しています。

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