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企業の技術・ノウハウ

ウェットプロセスによる超撥水・超撥油コーティング

資料

ウェットプロセスによる超撥水・超撥油コーティング

組織名 株式会社SNT
技術分野 ものづくり
概要

慶應義塾大学発のベンチャー企業です。ハスの葉の表面はナノチューブ状の微細な凹凸構造となっており、ワックスの効果と凹凸構造の組合せによって、水滴が丸いままコロコロと転がり、汚れの付着を防いでいます。本テーマでは、ウェットプロセスでありながらナノオーダーで微細構造を制御可能なウェットプロセスによって、ハスの葉を模倣した超撥水・超撥油コーティング技術を確立しました。防水・防汚・防腐食用途として様々な素材に適用可能です。本技術の活用を希望する企業を歓迎いたします。

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【簡略図】

交互吸着法による超撥水・超撥油コーティング.jpg【背景】
植物の葉は、一般的に保護膜となるワックス成分を持っています。例えば、椿の葉などにもワックス成分がありますが、その表面はほとんど平らで、水滴をたらすと半球につぶれてしまいます。一方、ハスの葉の表面は、ナノチューブ状の突起が微細な凹凸構造となっており、ワックスの効果とこの構造の組合せによって、水滴が丸いままコロコロと広がり、汚れが付着するのを防いでいます。このような水をはじく効果は撥水効果と呼ばれており、防水・防汚・防腐食用途などで活用されています。

ハスの葉.jpg 本テーマでは、ウェットプロセスでナノオーダーの膜を容易に成膜できる交互吸着法を元に、フッ素化合物をハスの葉の表面を模倣したナノ構造でコーティングすることにより、超撥水・超撥油の表面処理技術を確立しました。

 なお、「油・界面活性剤も滑る、透明・フッ素レス・高密着性・高硬度な滑落コーティング」技術についても提供しています。詳しくは下記をご参照ください。

https://www.open-innovation-portal.com/build/corporate/manufacture/coating.html

【技術内容】
株式会社SNTでは、交互吸着法と呼ばれる独自のウェットプロセス技術を保有しています。常温・常圧下の水溶液中における物体のクーロン力を利用した技術です。
クーロン力とは、+の電荷と-の電荷の間に引力が働く現象です。

(交互吸着法の原理)
1)まず、基材に表面処理を施した上で、負電荷を付与します。
2)基材を+の電荷溶液(カチオン性ポリマー)に浸透させると、カチオン性ポリマーが基材表面へ吸着します。
3)-の電化溶液(アニオン性ポリマー)に浸透させると、アニオン性ポリマーがカチオン性ポリマーへ吸着します。
4)2〜3を繰り返すと、多層膜を成膜することが可能です。

genri.png また、電解質ポリマー水溶液のpHをコントロールすることにより、電解質ポリマーの解離度が変化します。解離度が変わるとポリマーの構造が変わるため、形成させる膜の構造を調整することが可能です。

SekisoModel.jpgkougokyuutyakuhou.jpg
 本テーマでは、植物のワックス効果を発生させるためにフッ素化合物を使用しています。フッ素化合物は、フライパンのフッ素加工などに利用されているように、撥水・撥油用途などで利用されています。フッ素化合物を基に、交互吸着法によって微細凹凸構造を作り出すことにより、超撥水・超撥油コーティングを実現しています。

交互吸着法_原理.jpg【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
交互吸着法の利点は以下の通りです。真空処理と同様にナノオーダーで膜厚制御が可能です。また従来のウェットプロセスと同様に装置が低コストかつ常温常圧下で製膜工程が簡易です。なおかつ廃液処理や排ガス処理が少ないため環境に優しい技術です。

hikakuhyou_kougokyuutyakuhou.jpg本技術の優位性は以下の通りです。
1.ウェットプロセスでありながらナノオーダーの微細構造制御が可能なため、ハスの葉の表面構造の模倣を可能とし、超撥水性を実現しています。
2.超撥水液はスプレーでコーティングすることも可能なため、ポータブル性・手軽性にも優れています。
3.超撥水効果を持つ他の表面処理技術では耐久性に難がある技術が多いですが、本テーマでは実用に足る耐久性の確保を目指しています。

【連携企業のイメージ】
基材に対して超撥水・超撥油コーティングを施したい企業、あるいは、交互吸着法の装置導入・活用について意欲がある企業を歓迎いたします。

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
防水・防汚・防腐食・防錆効果を生かして、例えば、下記の用途で活用可能です。
1.車のボディーやガラスの防止
2.衣類の濡れ・汚れ防止
3.建材など金属のサビ防止
4.レインコートや傘などの汚れ防止
5.型離れを良くして(離型性向上)金型の劣化を防止
6.電線などへの積雪・積氷防止

交互吸着法_用途.jpg【技術・ノウハウの活用の流れ】
交互吸着膜開発に役立つラボ用装置は既に製品化しており、販売が可能です。また、超撥水・超撥油コーティングを施した試作サンプルもございます。お問い合わせ後、技術の詳細なご説明やデモ、ご提案をいたします。

【専門用語の解説】
(撥水性・撥油性)
撥水性は水をはじく効果、撥油は油をはじく効果です。撥水性の評価基準として接触角が挙げられ、接触角が高いほど撥水性が高く、接触角が150度以上の場合には、超撥水性があると言われます。本技術では接触角150度を達成しており、超撥水・超撥油性を持つコーティング技術です。

(ロータス効果 ※ハスの葉効果)
水を弾く素材の場合、単なる平坦な面より凹凸のある表面の方が、高い撥水性を得る上で有利です。特にハスの葉は特殊な微細凹凸構造になっており、超撥水効果を持っています。その特殊性から、ハス科の植物に見られる自浄性はロータス効果、あるいはハスの葉効果と呼ばれています。

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