トップページ > 企業の技術・ノウハウ > 株式会社SNT/キチンを用いた交互吸着法による反射防止膜の成膜

企業の技術・ノウハウ

キチンを用いた交互吸着法による反射防止膜の成膜

資料

キチンを用いた交互吸着法による反射防止膜の成膜

組織名 株式会社SNT
技術分野 ものづくり
概要 慶應義塾大学発のベンチャー企業です。カニなどの殻に含まれるキチンを水に分散させ、交互吸着法によって基板へ反射防止膜を成膜する技術を実現しました。 交互吸着法は真空処理と比較して高額な機器設備が不要であり、従来のウェットプロセスと比較してナノオーダーの膜厚調整が容易かつ廃液処理が少ないです。材料のキチンもバイオマス資源から精製しているため安価かつ環境にやさしく、高強度のため反射防止膜の材料として適正です。本技術の活用に意欲的な企業を歓迎いたします。
お問い合わせ

この技術・ノウハウに関するお問い合わせ

詳細

【簡略図】

ウェットプロセス.jpg【背景】
 キチンは高強度かつ生体適合性がある優れた物質であり、カニやエビの殻に含まれています。また、日本はカニ・エビ類の大量消費国ですが、その殻は産業廃棄物として、毎年10万トン以上捨てられています。

 本テーマでは、ウェットプロセスでナノオーダーの膜を容易に成膜できる交互吸着法を元に、キチンを材料として反射防止膜を成膜する技術をご提案いたします。
交互吸着法は装置及びランニングコストが安価であり、材料も普段捨てられている殻を利用するため、経済的にも環境的にも優しいテーマです。

【技術内容】
 株式会社SNTでは、交互吸着法と呼ばれる独自のウェットプロセス技術を保有しています。常温・常圧下の水溶液中における物体のクーロン力を利用した技術です。
クーロン力とは、+の電荷と-の電荷の間に引力が働く現象です。

(交互吸着法の原理)
1)まず、基材に表面処理を施した上で、負電荷を付与します。
2)基材を+の電荷溶液(カチオン性ポリマー)に浸透させると、カチオン性ポリマーが基材表面へ吸着します。
3)-の電化溶液(アニオン性ポリマー)に浸透させると、アニオン性ポリマーがカチオン性ポリマーへ吸着します。
4)2〜3を繰り返すと、多層膜を成膜することが可能です。

genri.png また、電解質ポリマー水溶液中のpHをコントロールすることにより、電解質ポリマーの解離度が変化します。解離度が変わるとポリマーの構造が変わるため、形成させる膜の構造を調整することが可能です。

SekisoModel.jpgkougokyuutyakuhou.jpg 交互吸着法には様々な特徴がありますが、常温常圧でナノオーダーの膜を高速に成膜できる利点があります。本テーマでは、交互吸着法を用いてキチンをナノメートルオーダーで成膜し、反射防止膜を作製しています。

hikakuhyou_kougokyuutyakuhou.jpg 本テーマで用いるキチンはカニやエビの殻などに含まれています。例えばカニの場合、殻には無機塩、タンパク質、キチンで構成されています。このうち、塩酸で無機塩を除去し、水酸化ナトリウムでタンパク質を除去することでキチンを精製しています。
キチンのみでは水に分散しないため、脱アセチル化することで表面にアミノ基を持ち水に分散させるようにしました。その後、交互吸着法によってナノメートルオーダーの反射防止膜を成膜しました。

【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
 交互吸着法の利点は以下の通りです。真空処理と同様にナノオーダーで膜厚制御が可能です。また従来のウェットプロセスと同様に装置が低コストかつ常温常圧下で製膜工程が簡易です。なおかつ廃液処理や排ガス処理が少ないため環境に優しい技術です。

 また、反射防止膜には光学特性の他、耐摩耗性が重要です。本技術は下記のとおり、膜厚が変わらず屈折率が上がっているように最表面のみ削られても表面構造は維持しており、キチンの高強度性を生かして耐摩耗性の向上に成功しています。

摩耗後.jpg【連携企業のイメージ】
本技術の活用を希望する企業を歓迎いたします。例えば、下記の企業へご提案可能です。
1)反射防止膜の成膜ニーズがある企業
2)真空処理で反射防止膜を成膜する手法を既に実施している、あるいは導入を検討しているが、低コスト化あるいは製造工程の簡易化等のニーズがある企業
3)ウェットプロセスにおいてナノオーダーの薄膜生成のニーズがある企業
4)交互吸着法の装置導入・活用について意欲がある企業

【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
 反射防止膜として、光学部品や太陽電池、窓ガラス、メガネなどへ応用可能です。また、キチンは防曇性効果もあるため、曇りよけ用途にも活用可能です。

曇よけ効果.png 成膜対象の基材として、ガラス、金属、微粒子、メンブレイン、紙、プラスチックなどが適用可能です。本テーマでは反射防止膜を例として挙げていますが、交互吸着法では医療用薄膜の抗血栓膜の作製なども可能となっています。医療用途への展開が期待されます。

【技術・ノウハウの活用の流れ】
 交互吸着膜開発に役立つラボ用装置は既に製品化しており、販売が可能です。また、反射防止膜を成膜した試作サンプルもあります。お問い合わせ後、技術の詳細なご説明やデモ、ご提案をさせていただきます。

【専門用語の解説】
(反射防止膜 ※AR膜)
 ガラス、光学結晶材料、プラスチックなどに光が入射するときには表面で反射が生じます。反射防止膜は、この表面反射を軽減し、透過率を増加させる表面処理技術です。

(キチン)
 キチンはエビ、カニをはじめとして、昆虫、貝、キノコにいたるまで、極めて多くの生物に含まれている天然の素材です。地球上に大量に存在しますが、普通の溶媒には溶けないためにほとんど利用されていません。
高強度・生体適合性があるなどの他、様々な利点を持つ優れた物質です。

この技術・ノウハウに関するお問い合わせ

メールフォームのご利用は、以下の項目にご記入のうえ「送信する」ボタンを押してください。
担当者より折り返しご連絡いたします。
個人情報の取り扱いについては、こちらをご覧ください。

お名前(漢字表記)  名
お名前(ふりがな)  名
学校・会社・団体名 (例)株式会社キャンパスクリエイト
部署名 (例)営業部
郵便番号
都道府県
市区町村番地 (例)調布市調布ヶ丘1-5-1
建物名 (例)調布ビルディング1階
お電話番号 (例)042-490-5728
メールアドレス (例)sample@campuscreate.com
お問い合わせ内容

技術・ノウハウを検索する

カテゴリーを選択

技術分野を選択

フリーキーワード

検索したい言語がある場合は入力。
空欄でも検索することができます。

掲載記事のお問い合わせ、技術相談など、お気軽にご相談ください。

メールでのお問い合わせ

株式会社キャンパスクリエイト
調布オフィス 担当:須藤 慎

〒182-8585
東京都調布市調布ヶ丘1-5-1
国立大学法人 電気通信大学
産学官連携センター内[地図